第1183回
中国初!消費者金融会社誕生!

一時はわが世の春を謳歌した日本の消費者金融業界。
しかし今では、貸金業法の改正などにより
各社とも青息吐息になっているようです。

そんな中、ここ中国では、
初の消費者金融会社が誕生しました。

「カネは借りたら返さない」が基本の中国で、
担保を取らない消費者金融はビジネスモデルとして
成り立たないのではないか、とも思うのですが、
経済成長の主力エンジンを、輸出、投資から
消費に早急に切り替えなければならない中国政府としては、
貯蓄好きな国民に借金をさせてでも
モノを買う人を増やしたいようで、
パンドラの箱を開ける決心をしたようです。

今回、消費者金融を始めたのは、
北京の地方銀行・北京銀行が全額出資する
消費者金融会社「北銀消費金融有限公司」。
日本では消費者金融は全て民間企業ですが、
中国の消費者金融は国有企業である
銀行がコントロールする完全な官主導で行われます。

システムとしては、まず初回の貸付は
モノを買ったお店に直接振り込まれることになっています。
これは、いきなり初回から無担保で現金を渡すと、
目の前の現ナマに目がくらんで、
持ち逃げする人がいるかもしれないためであると思われます。

但し、2回目以降は、初回貸付の返済状況を見て、
利用者に直接現金が渡されるそうです。
貸付残高の上限は月収の5倍まで。
月給5000元(6万5,000円)の一般的なサラリーマンならば、
2万5000元(32万5,000円)まで借りることができますので、
マイホームとマイカー以外ならば、
たいていのモノは買うことができます。

「北銀消費金融」の提携先である
家電量販大手「大中電器」で、
消費者金融第1号のお客さんになったのは、
在職期間5年、月給3560元(5万円)の張紅旗さん。
張さんが買ったのはアップルの携帯電話、
iPhone、5880元(8万2,000円)也。
頭金なしで1年の貸付を受け、
年利11.32%の利子総額は367元(5,100円)。
毎月の返済は520元(7,300円)ですから、
3560元の月給をもらっている張さんにとっては、
無理なく返せる範囲内なのではないかと思います。

「北銀消費金融」は現在、
消費者金融を使える提携先を増やすべく、
メガネの「宝島眼鏡」や、家具販売の「居然之家」などと
交渉を進めているようです。

「北銀消費金融」は
「カネは借りたら返さない」が基本の中国で、
はたして貸し倒れを多発させることなく発展し、
消費主導の経済成長に寄与することができるのか。
中国初の消費者金融会社の今後の動向に注目です。


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2010年5月10日(月)

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