第1168回
「淘宝網」で売れている「日本産品」は?
中国で根強い人気を誇る「日本産品(りーべんちゃんぴん)」。
では、「淘宝網」で売れている「日本産品」はないのか?
そう考えて、「淘宝網」に出品されている商品を
「日本」というキーワードで検索して、
売れている順から並べてみました。
そうすると結構たくさんの「日本産品」が
「淘宝網」で売れていることがわかるのですが、
その中でも目を引くのが粉ミルクの多さです。
複数の店で月数百缶、多い店では千缶を超える
明治乳業の「ほほえみ」(0〜9ヶ月用)と
「ステップ」(9ヶ月〜3歳用)が売れています。
これはお察しの通り、2008年に中国で発生した
メラミン入り粉ミルク事件の影響で、
かわいいわが子に品質に信頼の置ける
「日本産品」の粉ミルクを飲ませたいと考える親が
多いためであると思われます。
値段は「ほほえみ」が180元(2,340円)前後、
「ステップ」が140元(1,820円)前後と、
日本のネット販売と同等か、
へたをするとそれ以下の値段で売られています。
日本で大量に安く仕入れ、
コンテナ単位で日本から運んでこないと、
この値段は実現できません。
メラミン事件の直後は、「淘宝網」でもかなり高値で
「日本産品」の粉ミルクが売られていたようですが、
その後、ご多聞に漏れず
「日本製の粉ミルクは売れる!」と参入してきた
たくさんの店による競争が激化し、
価格が極限まで低くなっているようです。
明治乳業の粉ミルクの他に売れているのは、
花王の紙おむつ「メリーズ」、
ファンケルの「HTCコラーゲン」など、
人気が特定の銘柄に集中しています。
値段はいずれも日本のネット販売と同等かそれ以下。
どちらにしても、日本のネット販売で仕入れて、
EMSで中国に送って「淘宝網」で売る、
などというビジネスモデルは到底成り立ちそうにありません。
「淘宝網」で売れている「日本産品」から
浮かび上がってくる消費者像は、
1980年以降に生まれた、いわゆる「80后」の女性。
学生のころからネットに親しみ、
今は子どもを産んで親になり、
そろそろお肌のたるみが気になる世代の人たちです。
「淘宝網」で実際にモノが売れるかどうかは別にして、
中国のネット世代である「80后」が
今、どういう商品をいくらぐらいで買っているのか、
ということを調べるためには、
「淘宝網」で売れているものを見ればすぐにわかります。
これからは、ネット世代の消費傾向に限って言えば、
調査会社に高いおカネを払って
市場調査をしてもらう必要も
徐々になくなっていくのかもしれません。
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