第1116回
「90后」

現在、中国のネット上のオピニオンリーダーである
「80后(ぱーりんほう)」の世代。

彼らは1980年以降に生まれ、
学生の頃からインターネットに親しんでいますので、
ネット上の掲示板や
「人肉捜索(れんろうそうそう、
人力ネット捜索)」を駆使し、
今では政府の政策や裁判所の判決にまで
影響を及ぼす存在となっています。

しかし最近、その「80后」を脅かす存在として
「90后(じょうりんほう)」という言葉を
よく聞くようになってきました。

「90后」は1990年以降に生まれた世代ですので、
現在、最年長でも19歳。
しかし、彼らは学生どころか子供の頃から
インターネットに親しんでいるため、
インターネットの利用者数、知識量で共に
「80后」を大きく上回るのだそうです。

そんな「90后」の実態を解明すべく、
先日、政府系シンクタンク・上海社会科学院が
「90后」の児童・生徒1613人を対象に
アンケートを行いました。

その結果によると、「90后」は
80%が「自分は幸せだと感じる」と回答しており、
89%が「中国人であることに誇りを感じる」と答えています。

物心ついた時には改革開放政策による
高度経済成長が既に軌道に乗っており、
どんどん豊かになる経験をした「90后」にとっては、
「中国に生まれてよかった」ということなのでしょう。

そして、彼らの将来の目標は
1位「毎日楽しく過ごしたい」38%、
2位「事業で成功したい」29%、
3位「親孝行したい」25%、となっています。

「毎日楽しく過ごしたい」という回答が多いのは
いかにも子供らしいのですが、
「事業で成功したい」という人が30%近くいる、
というのは頼もしい限りです。
こうした大量の起業家の卵たちが、
将来の中国経済に活力を与えていくのでしょう。

そして将来の目標の第3位は「親孝行したい」。
...なんとも泣かせます。
日本の子どもたちへのアンケートでは、
まず出てこない回答でしょう。
具体的にどうすれば良いのかはわかりませんが、
これはぜひ日本でもこうであってほしいと思います。

こうして見ると中国の「90后」は、
「幸せを感じながら、将来に希望を持って
素直にすくすくと育っている」という印象です。
これから社会に出て活躍し、
未来の中国を創っていく「90后」に注目です。


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2009年12月4日(金)

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