第883回
郷長は元ヤクザ
当社が東五環路外側に借りた空き工場は、
着々と倉庫への改造が進んでいますが、
先日、空き工場の貸し手から
「郷長(しゃんじゃん)を紹介する」
との連絡がありました。
この空き工場のある土地は元々、
村(つん)の所有なのですが、
郷(しゃん)は村の上の行政単位になります。
郷長はその郷の首長です。
ちなみに郷の上の行政単位は朝陽区、
朝陽区の上が北京市となります。
「うちは土地を借りて倉庫を作るだけですから、
別に郷長にご挨拶するほどのものではないと思いますが...」
と一度はお断わりしたのですが、
貸し手から「郷長は元々この地域の地回りのヤクザで、
大きな力を持っています。
この郷で商売をするのであれば、
一度ご接待しておいた方が良いですよ」
と言われましたので、
郷の人民政府にご挨拶に行き、
ご接待を提案することにしました。
当初私たちは、
郷の人民政府の近くの適当な中華料理屋で
ご接待することを想定していたのですが、
郷長から「この辺にはうまい料理屋はない!
オレが通州にいい店を知ってるからそこに行こう!」
という提案がありました。
「あんたの郷なんだから、
自分でうまい料理屋を誘致しなさいよ!」
とも思ったのですが、
そんなことは言えませんので、
郷から車で30分ほどもかかる、
北京の東の郊外の街、通州まで行くことになりました。
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