第831回
中国人の公衆マナー

あと半年足らずで北京オリンピックだと言うのに、
北京の多くの人たちの公衆マナーは
一向に改善する気配がありません。

本日11日は並ぶ日ですが、
バス停など整列指導員の人が
厳しく指導しているところ以外では、
相変わらず列に割り込む人が多いですし、
交差点でも交通指導員の人が
厳しく指導しているところ以外では、
赤信号でも渡り放題です。

これは中国では何百年もの間、
貧しく混乱した時期が続きましたので、
列に並んだり、赤信号で止まったりする
おっとりとした遺伝子を持った人たちは
みんな食べ物にありつけずに淘汰されてしまい、
列も赤信号も無視して
猛然と食べ物を掴み取った人たちだけが
適者生存したためではないか、
と私は分析しています。

今の中国の人たちは全員そうした
「並ばない遺伝子」を持った人たちの子孫なので、
本能的に列に並ばなかったり、
赤信号を無視したりするのではないでしょうか。

この「中国人並ばない遺伝子説」が正しいとすれば、
中国の人たちの公衆マナーを良くするためには、
1人1人の理性が本能に打ち勝つ必要がありますので、
いくら指導員の方々が厳しく指導しても、
指導員のいないところでは、
割り込みや信号無視が繰り返されることになります。

1人1人の理性に訴えるためには、
上から押さえつけるように厳しく指導するよりも、
「偉大なる中華民族の一員として
世界に誇れるマナーを身に付けましょう」というような、
高い自尊心をくすぐるアプローチの方が
効果的なのかもしれません。

こう話していくと、
中国の人たちがみんな公衆マナーが悪いみたいですが、
本能剥き出しで列に割り込んだり、
信号無視したりするのは、
国民の大部分を占める貧乏人がほとんどです。

日本人が中国に来て、
中国人の公衆マナーの悪さを強く感じるのは、
貧乏人がたくさんいるところにばかり行くからであって、
高級ホテルや高級レストランなど、
金持ちしかいないようなところにだけ行けば、
中国人に対するイメージは
全く違ってくるのではないかと思います。

もちろん、今の中国の金持ちは全員成金ですので、
公衆マナーが悪い人もたくさんいます。
しかし、今後、中国の人たちの中で金持ちがどんどん増えて、
「金持ちにふさわしい行動をしよう」という理性で
本能をコントロールできる人が多くなっていけば、
中国全体の公衆マナーのレベルも
上がっていくのではないでしょうか。


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2008年2月11日(月)

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