第709回
恐怖のオリンピック便乗値上げ

自分が住んでいる街でオリンピックが開かれるのは、
大変うれしいことではあるのですが、
怖いのはオリンピック便乗値上げで、
生活費が普段の数倍に跳ね上がる可能性があることです。

まず、最近北京で話題になっているのが、
オリンピック開催期間中のホテルの料金です。

北京オリンピック組織委員会のサービス担当部は
今年3月「2004年のアテネオリンピックでは、
アテネ市街のホテル代は普段の数倍に跳ね上がったが、
北京オリンピック期間中の北京のホテル代は
高くならない」と発表しました。

しかし、それとは裏腹に、最近の報道では
「北京オリンピック期間中の
北京市内のホテル室数は明らかに不足し、
ホテル代は通常の3倍から5倍に跳ね上がる」
と予想されています。

実際、オリンピック期間中に重要顧客を接待するために、
ホテルを押さえようとした日本企業の北京駐在員は、
「1泊1,000ドル」とか、
「1ヶ月連続で借りてもらえなければ予約はできない」
という超強気の回答に困惑しているようです。

その駐在員は「お客さんに「どうぞ我が家にお泊りください。
お代は500ドルでいいです」って言っちゃおうかな」
などとのたまっておりました。

でも、これ結構いい商売かもしれません。
どうしても北京オリンピックを
見たいけれどホテルが取れない人と、
旅行者を自分の家に泊めて小遣い稼ぎをしたい北京市民を
マッチングさせる「ホームステイ仲介業」。
オリンピックが終わったらすぐ廃業になりそうですが...。

北京に住んでいる私たちにとっては、
ホテルの値上げは生活には影響しないのですが、
それに便乗してレストランやスーパーが
普段の何倍もの値段を付け始めると、
生活費が跳ね上がってしまいます。

そんなことはあり得ない、と思われるかもしれませんが、
毎年、バレンタインデーの花の値段、
クリスマスイブのレストランでの食事の値段が、
普段の数倍に跳ね上がっているのを見ていると、
北京の商人(あきんど)は、
「オリンピックは荒稼ぎをする千載一遇のチャンス」
と考えているに違いない、と思えてきます。

オリンピック期間中は、
家を旅行者の人に高値で貸して、
自分は国外に避難して、
テレビでオリンピックを観戦する、
というのが正解なのかもしれません。


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2007年5月4日(金)

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