第685回
「北京で働く」

北京在住の私の友人である
浅井裕理さんの2冊目の本、
「北京で働く」(めこん)を読みました。

この本はインタビュー編と情報編に分かれており、
インタビュー編には19人の北京で働く日本人の生の声、
情報編には北京で働くための仕事の探し方や、
部屋の借り方などが掲載されています。
ちなみに私も北京で働く日本人の1人として
インタビューを受けています。

北京の日本人社会は人口1万2000人の
「村」みたいなものですので、
インタビューを受けているのは
私が知っている人ばかりなのですが、
改めて北京に来た理由や、
北京に来てからの苦労話を読ませて頂くと、
みなさん様々な思いや志を持って北京に来て、
北京で働いているんだ、
ということがよくわかりました。

現在、北京の日本人人口のほとんどは、
日本企業の駐在員、その家族、及び留学生です。
「北京で働く」でインタビューを受けている19人のように、
自分の意思で北京に来て会社を興したり、
フリーランスで仕事をしたり、
企業で働いたりしている人は、
どちらかというと「マイノリティ」です。

しかし、この「マイノリティ」の人たち、
わざわざ北京くんだりまで来て働こう、
などと考えるだけあって、
強烈な個性の持ち主が多いです。
中には、個性が強烈すぎて、
日本の社会では適応できなかったため
仕方なく北京に来たのではないか、
と思わせるような人もいます。

「北京で働く」の著者・浅井裕理さんも、
フリーランスライター兼シングルマザーとして、
波乱万丈ですが、実に気骨溢れる人生を送られています。
その辺のご苦労は浅井さんの1冊目の本
「これ、ニセ札でしょ!
−シングルマザーの戦う北京生活」(都築事務所)に
詳しく載っておりますので、併せてご覧ください。

今後、自分の意思で北京に来て北京で働く、
「マイノリティ」の日本人は、
どんどん増えていくことが予想されます。
そして、そんな人たちの中からこそ、
北京にどっしりと根を下ろす、
「華僑」ならぬ「和僑」とも言うべき人が
出てくるのではないでしょうか。


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2007年3月9日(金)

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