第636回
アフリカでの影響力を強める中国企業

先週、北京で開催されていた
「中国・アフリカ協力フォーラム」が閉幕しました。

今回のフォーラムはアフリカ48カ国の首脳が
北京に集結する、ということで、
大規模な交通規制がしかれたり、
会社の出退勤時間や学校の登下校時間を調整したり、
と、それこそ国家のメンツをかけての大接待、
という感じでした。

なかでもすごいと思ったのは、
フォーラムが開催される直前に、
北京の街中の広告看板の大部分が
「中国・アフリカ協力フォーラム」の看板に
替わったことです。

たぶん、中国政府が
「国家のメンツがかかっている」ということで、
看板を所有している会社に有無を言わさず、
今まで掲げていたお客さんの看板を
下ろさせたのだと思いますが、
この辺は資本主義国になったとは言え、さすが中国、
日本にはマネができないな、と思いました。

さて、アフリカは私たち日本人にとっては
比較的遠い存在ですが、中国の人たちには、
既にビジネスの対象として見られているようです。

アフリカに進出している中国企業は700-800社。
各国の首都では中華レストランが増加しているようです。
市場には中国製のTシャツや靴があふれ、
商業施設には中国から輸入された
安価なおもちゃや家電製品が並んでいるそうです。

ビジネスチャンスがあるとわかれば、
どこへでも行くこのバイタリティ。
往年の日本の総合商社は、
こんな感じだったと思うのですが、
今ではすっかり中国企業に
お株を奪われてしまいました。

「中国・アフリカ協力フォーラム」では
「中国企業の投資は大歓迎」という表明をした
アフリカ諸国ですが、
実際にはいろいろな問題が起こっているようです。

南アフリカでは中国製品の大量流入によって、
事業閉鎖に追い込まれる地元企業が続出。
関連業界が中国製品の流入に対して
強く反発をしているそうです。
また、中国系企業で働く労働者の待遇の悪さは
アフリカ各地で問題になっており、
ザンビアでは今年7月に、
中国企業が保有する炭鉱の労働者が、
低賃金に抗議して大規模な暴動を起こしたそうです。

良い意味でも悪い意味でも、
アフリカでの影響力を強める中国企業。
「今すぐアフリカに進出しろ」とは言いませんが、
私たち日本人がこの圧倒的なバイタリティに
学ぶべきところは多いのではないでしょうか。


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2006年11月15日(水)

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