第572回
1,050万円のカローラ
私が北京で暮らしている感覚から言うと、
北京の物価はだいたい日本の1/4です。
北京の地下鉄は3元(45円)。
これを4倍すると180円。
北京のタクシーの初乗り運賃は10元(150円)。
これを4倍すると600円。
当社のオフィスが入っている幸福大厦の
1階食堂のランチセットは、
肉料理、野菜料理、スープ、ご飯で8元(120円)。
これを4倍すると480円。
北京で生活するに当たっては、
何でも日本円に換算した後4倍すると、
だいたい日本の感覚と同じになります。
私は北京に来た当初、
私は日本に比べて物価が安いのがうれしくて、
「なんでこんなモノ買ったんだろう...」
と後から後悔するようなガラクタを
たくさん買ってしまったのですが、
日本円に換算して4倍するようになってからは、
衝動買いで無駄遣いをすることもなくなりました。
しかし、これにはもちろん例外もあります。
北京ではちょっと贅沢をし始めると、
物価が急激に高くなり、
この「4倍の法則」が
あてはまらなくなってしまいます。
例えば、日本料理。
幸福大厦に入っている日本料理店の
昼のカツ丼定食は40元(600円)。
「4倍の法則」を適用すると、
2,400円になってしまいます。
お昼ごはんで食べるには、
ちょっと勇気のいる値段です。
スターバックスの中杯拿鉄
(ちょんべいなーてぃえ、トールラテ)は
23元(345円)。
4倍すると1,380円です。
お昼ご飯に2,400円のカツ丼食べて、
1,380円の食後のコーヒーを飲む。
合計3,780円也。
毎日こんな生活してたら、破産しちゃいます。
贅沢の極めつけはマイカーです。
豊田・花冠
(ふぉんてぃえん・ほぁぐぁん、トヨタ・カローラ)
の一番安いモデルは
中国では17.5万元(262.5万円)。
この時点で既に、
日本で売っている一番安いカローラの
2倍ぐらいの値段になっていますが、
更に4倍すると1,050万円。
1,050万円のカローラ...。
日本ならメルセデス・ベンツの
Sクラスが買えてしまう値段です。
このように、北京では、普通に生活していれば、
日本の1/4ぐらいのコストで生活ができるのですが、
ちょっと贅沢をし始めると、物価が急激に上がり、
へたをすると日本に住んでいるより
生活コストが高くなってしまいます。
質素に暮らすと物価が安く、
贅沢に暮らすと物価が高くなる街、北京。
この街に住んでいると
「世の中って、うまくできてるな」と思います。
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