第545回
あまりに無力な中国語と人民元

私、先日、ハンドキャリーのお仕事で、
南太平洋の島・サモアのアピア、
というところに行ってきました。

北京〜アピアは直行便がありませんので、
北京→仁川(韓国)→オークランド(ニュージーランド)
→トンガタプ(トンガ)→アピア(サモア)
→ナンディ(フィジー)→仁川(韓国)→北京、
というルートを5日間で回る、
乗り継ぎに次ぐ乗り継ぎの旅でした。

人間の生理を全く無視したフライトスケジュールと、
中途半端に長いトランジットの時間、
そこに日付変更線と微妙な時差が加わり、
へろへろになりながらも、
何とか北京まで帰ってきました。

今回の旅で強く感じたのは、
英語とクレジットカードのありがたみです。

今回は、各都市とも、空港と
空港近辺のホテルにしか行きませんでしたので、
当たり前と言えば当たり前なのですが、
どこに行っても英語が通じるので、
本当に助かりました。

私は今まで、
地球上の人類の5人に1人が中国人で、
世界各国どこにでも華僑・華人がいるので、
外国語を勉強するなら英語より中国語だ、
と思っていました。

しかし、今回の旅で、
世界の公用語は英語である、
ということを再認識させられました。
南太平洋で生きていくに当たっては、
中国語は何の役にも立たないのです。

そして、クレジットカード。
普段何気なく使っていましたが、
こんなに便利なものだとは思いませんでした。

今回の旅では5つの国を回りました。
持っていった日本円を、
各国でいちいち現地の通貨に両替していたら、
きっと、いろいろな国の通貨が
手元に余ってしまったと思います。
しかし、空港で食事をするにしても、
ホテルに泊まるにしても、
全てクレジットカードで
支払うことができましたので、
最後まで日本円の出る幕はありませんでした。

日本円でさえ出る幕がなかったのですから、
人民元はもっと出る幕がありません。
ハードカレンシーでない人民元など、
南太平洋では、両替さえもできない
ただの紙切れにすぎないのです。

中国は高度経済成長により、
世界一の経済大国への道を
突き進んでいます。
このため、世界中で中国語を勉強する人が激増し、
人民元は強くなる一方です。
中国に住んでいると、
今の中国は無敵に見えます。

しかし、一歩中国の外に出ると、
中国語も人民元もあまりに無力であることが、
今回の旅でよーくわかりました。

「井の中の蛙大海を知らず」。
やはり、外国に行って見識を広める、
というのは、大切なことですな。

中国は無敵だと思っている中国の人たちが、
自由に外国に行けるようになって、
私と同じ感想を持つようになるまでには、
もう少し時間がかかるのかもしれません。


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2006年4月17日(月)

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