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第516回
明日からあんたが3Kの仕事やんなさいよ!
共産主義とは、私有財産制を全面的に廃止し、
生産手段を社会の共有とすることによって、
経済的平等を図り、
人間社会の諸悪を根絶しようとする思想です。
しかし、働いても働かなくても収入は同じ、
という状況下では、人はまじめに働かなかったため、
共産主義の国家はことごとく経済が停滞しました。
そこで中国は、�ケ小平が改革開放政策で、
資本主義の競争原理を導入、
「先富論」で富める人から富んでいくことを認め、
そこから中国経済の全体的な底上げを図ろうとしました。
改革開放政策は見事に効果をあげ、
現在、中国は高度経済成長を続けていますが、
同時に、資本主義化により、
共産主義の理想からはほど遠い、
階級社会が形成されつつあります。
現在の中国の人たちの階級意識は、
日本人のそれとは比べものにならないほど激しいものです。
北京で生まれ育った
白領(ばいりん、ホワイトカラー)の人たちが、
外地人(わいでぃーれん、北京以外から来た人)とか、
農民(のんみん、農民)の話をする時には、
明らかに蔑みのニュアンスが感じられます。
中には「北京で起こる犯罪は、全て外地人の仕業だ」
と言い切る人もいます。
確かに、外地人の犯罪率は高いのかもしれません。
しかし、豊かになった北京の人たちがやりたがらない、
いわゆる3K(きつい、きたない、きけん)の仕事を
外地人がやってくれているおかげで、
今の北京の発展があるのも事実です。
外地人を北京から追い出せ、なんて言うんだったら、
明日からあんたが3Kの仕事やんなさいよ!
こうした状況を目の当たりにして、中国共産党も
「和諧社会(はーしえしゃーほい、調和の取れた社会)」
のスローガンの下、都市と農村の経済格差を縮小すべく、
高額所得者に対する課税強化や、
農業の近代化、大規模化支援など、
様々な施策を行っています。
中国の3農(農業、農村、農民)政策への国家予算の投入は、
2004年、3,000億元(4.5兆円)を超えたそうです。
中国の国家予算規模が2.5兆元(37.5兆円)
と言われていますので、
3農対策費は国家予算の10%以上、
中国政府がいかに都市と農村の格差の縮小に
力を入れているかがわかります。
今後、中国政府は、都市の経済がクラッシュしない程度に、
都市の富を吸い上げ、その富を農村に分配する政策を強化し、
日本のように都市と農村の格差が小さい、
より共産主義の理想に近い社会を
目指していくものと思われます。
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