第442回
「中国起業」のススメ
日本政府の起業サイト「ドリームゲート」、
リクルートの起業雑誌「アントレ」、
「週末起業」に「1円起業」。
日本では起業がごく普通の人生の選択肢として、
語られるようになってきています。
最近では、そうした流れに対するアンチテーゼとして、
「起業バカ」なんていう本まで出ています。
曰く、「起業して成功するのは1,500人に1人。
その1人になれると、あなたは本当にお考えか?」。
えー、それ早く言ってよ。
もし、この本が4年前に出版されていたら、
私は起業を思いとどまっていたかもしれません。
世の中には、知らないほうが良いこともあるんですね。
そんな起業大国になりつつある日本においても、
「中国起業」となると検討する人がぐっと減ります。
その証拠に、インターネットの検索サイトで
「週末起業」や「1円起業」をキーワードに検索をすると、
数万のページがヒットするのですが、
「中国起業」で検索しても、
ヒットするのはこの「中国ビジネスのススメ」を含めて、
数百ページしかありません。
私は日本で会社を興した事がありませんので、
比較する事はできないのですが、
中国で会社を経営していると、
どう考えても、
マーケットが成熟しきっている
日本で起業するよりも、
破竹の勢いで経済成長を続け、
且つ、まだまだマーケットが未成熟である
中国で起業した方が、
成功の確率が高いような気がします。
日本での生活は本当に便利で快適です。
かゆいところに手が届くような
モノやサービスがたくさんあります。
日本で生まれ育った私は、
それが当たり前だと思っていたのですが、
不便で不快な中国に住んでみて、
そのありがたみがつくづく分かりました。
ただ、ビジネスの観点からみれば、
既に十分便利で快適な日本で、
新たなニッチ市場を探すより、
不便で不快な上に、
経済成長でお金持ちがどんどん増えている中国で、
便利さや快適さでは一歩先を行っている
日本のモノやサービスを提供した方が、
チャンスが大きいのではないでしょうか。
ビジネスチャンスが大きい、というだけでなく、
自分たちが享受してきた便利さや快適さを、
中国の人たちにも広める、という仕事は、
やりがい的にも、日中友好的にも、
非常に意義のある事なのではないか、と思います。
「中国起業」は、
日本で起業を考えている人たちに、
選択肢の一つとして、
もっと検討されて良いのではないか、
と思うのです。
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