第262回
車のナンバーに見る、政治都市・北京
北京では、政府要人が
北京空港と中央政府がある中南海を往復する度に、
交通規制がしかれます。
警察官が一般車両を締め出して、
一番内側の1車線をまるまる空けるので、
その度に大渋滞となります。
外出している時に、
運悪くこうした交通規制の渋滞に巻き込まれて、
その空いた1車線を「甲A」や「WJ」ナンバーの高級車が
猛スピードで通り過ぎていくのを見ると、
上海人でなくても「こやつら、偉そうに」と思います。
ま、ほんとに偉いので、仕様が無いのですが...。
「甲A」は人民解放軍のナンバー、
「WJ」は武装警察のナンバーです。
通常、政府要人は「甲A」の車に乗っており、
「WJ」の車が護衛する、という形になっています。
人民解放軍は言わずと知れた中国の軍隊で、
1927年8月1日に設立されました。
この事から、人民解放軍のマークには
「八一」の2文字が入っていますし、
中国で「八一(ぱーいー)」と言えば、
人民解放軍の事を指します。
人民解放軍の車のナンバーは、
白プレートに赤字で甲、乙、丙、丁などの十干が書いてあり、
「甲A」は総参謀部、など、
見る人が見ればどこの部隊の車両か分かる様です。
ちなみに、人民解放軍の工場や病院は、
「2905工場」とか「11235病院」など、
数字で表されているものが多いです。
一般の人には何だか分からないのですが、
関係者が見れば、どこの部隊に属しているのか、とか、
何を作っているのか、というのはすぐに分かるそうです。
工場名や病院名まで、暗号化されているんですね。
武装警察は、1982年に創設された部隊で、
主に要人警護、国内の治安維持、
テロ防止などの仕事をしています。
武装警察の車のナンバーは、
白プレートに赤字で「WJ」と書いてあります。
「武(Wu)」と「警(Jing)」のピンインの頭文字をとって
「WJ」となっている様です。
これに対し普通の警察の車のナンバーの色は、
青プレートに白ヌキ数字ですので、
普通の車と変わらないのですが、
警察の車は必ず「京0」で始まっています。
普通の乗用車の様に見えても、
「京0」ナンバーの車は覆面パトカーですので、
あおったりしない方が身のためです。
他にも、大使館の車は、
黒プレートに赤字で「使」と書いてあったり、
外資系企業の車は黒プレートに白ヌキ数字だったりと、
北京の車のナンバーはバラエティーに富んでいます。
上海で見る車のナンバーは、
ほとんどが普通の青プレートに白ヌキ数字である事を考えると、
やはり北京は
中国の政治、外交の中心である事が良く分かります。
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