第208回
「鳥インフルエンザ対策メニュー」
鳥インフルエンザがアジア全域で猛威をふるっています。
中国ではベトナムと国境を接する
広西チワン族自治区で最初に発見された後、
広東省、湖南省、湖北省、と北上を続け、
最近では天津市、吉林省など、
中国北部でも感染した鶏が発見されています。
その間、1ヶ月足らず。
どうやって感染しているのか分かりませんが、
ものすごい勢いで感染地域が広がっています。
私が住む北京市では
まだ鳥インフルエンザに感染した鶏は発見されていません。
聞く所によると、我々が北京で食べている鶏は
100%北京市内で育てられたものなので安心なのだそうです。
そんな訳で、日本は中国からの鶏肉の輸入を
全面的に禁止しましたが、
北京市民は、普通に鶏肉を食べています。
KFCにもちゃんとお客さんが入っていますし、
北京ダックのお店にも行列が出来ています。
元々、北京を始めとする中国北部の人たちは、
こうした事に神経質になる人を
「胆子小(だんずしゃお、肝っ玉が小さい)」と言って
見下す傾向があり、
「鳥インフルエンザ、大丈夫かな」なんて言う人の横で、
「没関係!(めいぐぁんし!、大丈夫!)」と言いながら
率先して鶏肉を食べる様な人が偉い、と相場が決まっています。
こんなですので、金の計算に細かい上海人や、
枝葉末節な質問ばかりする日本人は、
いつも北京人から思いっきりばかにされています。
ただ、「胆子大」の北京人でも気にする人はいる様です。
「宮爆鶏丁(ごんばおじーてぃん)」という、
鶏肉とピーナッツを甘辛く炒めた、
中華料理の定番メニューがあるのですが、
当社オフィス近くの大衆食堂では、
鶏肉の代わりに豚肉を使った
「宮爆肉丁(ごんばおろうてぃん)」という
「鳥インフルエンザ対策メニュー」が登場しています。
ま、命を賭けても鶏肉を食べたい、という訳でもありませんので、
北京市の鶏肉は安全、とは言え、
暫くは食べない方が良いかもしれません。
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