第174回
無防備な国、ニッポン
あと、日本に行って強く感じたのは、日本の無防備さです。
例えば本屋。
店の外の、レジの店員の目が届かない所に、
雑誌が置いてあったりします。
これでは盗んでくれと言わんばかりです。
中国の本屋でこんな事をしたら、
1分後には絶対全部無くなっています。
他にも、小学生が1人で歩いて登下校している、
というのは、中国では信じられない光景です。
先日も中国での人身売買事件が報道されましたが、
中国で小学生が1人で歩いていたら、
すぐに誘拐されて売り飛ばされてしまいます。
身代金目的の誘拐が成功しないのは、日本も中国も同じですが、
売り飛ばしてしまえば足もつきにくいというものです。
中国の小学生が登下校したり、外で遊んだりする時には、
必ず大人が付き添います。
おじいちゃん、おばあちゃんがいれば良いのですが、
核家族で共働きの場合は、
お父さんかお母さんが会社を抜け出して
子供の送り迎えをしなければなりません。
そうした事情もあり、
中国では通常の学校よりずっと費用が高くなるにも関わらず、
全寮制の学校に人気があります。
日本の銀行の窓口は、テラーがお客から手の届く所にいますし、
カウンターも乗り越えられるぐらいの高さです。
これも中国では信じられない事です。
中国の銀行の窓口は、厚い防弾ガラスに守られており、
行員は窓口脇の鉄製の扉からしか入れない事になっています。
以前、画像便りでも写真をご紹介しましたが、
中国の現金輸送車には、迷彩服に身を固め、
散弾銃を持った屈強な男たちが乗っています。
輸送車から銀行に現金が運ばれる時には、
ちょっとでもあやしい動きをすると
散弾銃で打たれそうな雰囲気ですので、
近くを通る時には非常に緊張します。
ちなみに、中国の銀行は、窓口1つ1つに
テラーの動きを録画する為のカメラが付いています。
身内にも気を許さない徹底ぶり。
流石です。
最近、日本でタクシーの運転手が襲われる事件がありましたが、
タクシーの運転手の周りに防護壁が無いのも
無防備すぎると思います。
中国のタクシーには運転手の周りに柵があり、
防犯の役目を果たしています。
先日、北京のタクシー会社が、
タクシーの中に柵があるのは見栄えが悪い、という事で、
自社の全てのタクシーから柵を取り外しましたが、
外してからたった2日で、2人の運転手が殺され、
慌てて柵を装着し直しました。
見栄えよりも防犯を優先するのは、中国では常識です。
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