第143回
カードで払うタクシー代

上海のタクシーは空車が少なく、
北京のタクシーに比べると不便極まりないですが、
良い所もあります。
まず、上海のタクシーでは
クレジットカードが使える様になった事です。
今回、上海に出張して気付いたのですが、
タクシーを下りてお金を払う時に、
必ず、「カードですか、現金ですか?」と訊かれます。

「市内を走って20元(300円)、30元(450円)の支払いに
カードが使えても、全然便利じゃないだろう」
と思われる向きもあるかもしれませんが、
これが中国では、
「タクシーに乗る際に小銭を用意しなくてよい」というだけで、
精神的にかなり楽になるのです。

中国のタクシーの運転手さんは、ほとんど小銭を用意していません。
故に、タクシー料金の支払いの時に、
100元(1,500円)、50元(750円)の高額紙幣を出すと、
かなりの確率でおつりが無く、運転手さんかお客のどちらかが、
近くの両替出来る所に行って、両替した上で、
支払いを済ませなければなりません。
私の経験から行くと、中国どこでも、暗黙の了解として、
100元札を出しておつりが無かった場合は、お客が悪いので、
お客がどこかで両替をして支払う義務があります。
一方、50元札を出しておつりがなかった場合は、
運転手が悪いので、
運転手がどこかで両替して支払う義務があります。

日本でも運転手さんによっては、1万円札を出すと
「お客さん、勘弁してください」と言う人がいますが、
私から言わせればタクシーは客商売なのですから、
お客さんに高額紙幣を出されても良い様に、
常にある程度のおつりは用意しておくべきだと思います。
例えばコンビニで1万円札を出して、
「お客さん、勘弁してください」と言われたら、
もう二度とこんな店で買うもんか、と思うのが人情です。
タクシーは同じ客商売でも、
同じお客を二度乗せる可能性は非常に低いので、
「もう二度と乗るもんか」とお客に思われても、
どうって事無い、と考えているのかもしれません。
そこにお客さんに対する甘えがある様に思えます。

しかし、中国でタクシーに乗る度に
「お前は客商売なのに、お客に対して甘えがある!」
などと説教していても、
全体的なサービスが改善する事は望むべくもありませんので、
私はいつも小銭を用意してから、タクシーに乗る事にしています。

これがクレジットカードで支払える様になれば、
小銭を気にする必要は無くなり、精神的に非常に楽になります。
そのかわりに、中国の事、何かの間違いで、
カード会社からとんでもない金額が請求されてくるかもしれない、
という心配が増える事は確かですが...。


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