第140回
こつこつ貯めて1億元!
番組の最後に司会者が、我々4人にクイズを出しました。
毎年1.4万元(21万円)を貯めて、年率20%で「理財」したら、
40年後にはいくらになっているでしょう、というものでした。
毎年1.4万元を貯め続ければ、
元本は1.4×40=56万元(840万円)になります。
しかし、年率20%分の金利が付きますので、
金額はかなり大きくなるはずです。
私はボードに元本の約7倍、400万元(6,000万円)と書きました。
他の出演者もそんな様なレベルの金額でした。
しかし、その答えはなんと!、1億元(15億円)を超すそうです。
毎年1.4万元と言えば、月1,167元(17,500円)、
普通の家庭で貯められない金額ではありません。
しかし、これをずっと続けて、年率20%で回せば、
40年後には1億元というものすごい金額になるのです。
資産を持たない皆さんは、
「理財」など金持ちの考える事だとお思いかも知れませんが、
「普通的老百姓(ぷーとんだらおばいしん、一般大衆)」も
「理財」の意識を持てば、
大きな財産を築く事も夢では無いのです、
と司会者は締め括りました。
私もこの金額には正直驚きましたし、
この番組を見て早速「理財」を始めた家庭も
たくさんあると思うのですが、
良く考えてみれば、この1億元という金額、
今の貨幣価値から考えればものすごい金額ですが、
これは今後インフレが起きない、
という前提に立ったものの考え方です。
年率20%のインフレが40年間続けば、
40年後の1億元は大した金額では無くなってしまいます。
しかし、今の中国の経済成長がすごいのは、
経済成長率が年7-8%あるにも関わらず、
物価上昇率がほぼゼロで推移している事です。
実際、私は北京に来て7年半になりますが、
来た当時と比べて物価が上がっている様には感じません。
もちろん、7年前に比べれば、おいしい焼きたてのパンや
デザインの良い服など、贅沢品が増えましたので、
世帯消費は増加しているかもしれませんが、
自由市場で買う野菜や果物など、基本的な生活物資は、
ほとんど値上がりしていない様に思います。
高度経済成長期の日本は、経済成長と同時に、
「狂乱物価」とも呼ばれた強烈なインフレに見舞われましたので、
月賦や借金で物を買う事が豊かになる為のポイントでしたが、
今後、中国がこのままインフレ無しの経済成長を続けるのであれば、
「国際双行線」の司会者が言う様に、
小銭をこつこつ貯めて、そのお金を「理財」して、
大金持ちになる人がたくさん出て来るかもしれません。
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