第133回
「駐在員起業」
現在、北京で起業されている日本人の方は、
たくさんいらっしゃいます。
日本食レストラン、食品卸、カラオケスナック、
日本人向け雑誌、クリーニング屋などなど。
こうした方々とお話しすると、
業界は違っても、共通の悩みがあったりして、
非常に話が盛り上がります。
北京にはまだ、こうした日本人個人経営者の集まりは、
散発的なものしか無いのですが、
今後、個人経営者の数が増えてくると、
大きな集まりも出来てくるのではないでしょうか。
こうした、個人経営者の方々は、
様々な理由で北京に来て、ここで起業されているのですが、
日本企業の駐在員で北京に来て、
そのまま起業してしまった日本人は、
私の知る限りでは私が初めてです。
最近、日本の通販会社の北京事務所長だった方が、
こちらで会社を辞めて、
ダイニングバーを開かれたのが2例目だと思いますが、
今後、中国で「駐在員起業」する人は
どんどん増えていくものと思われます。
日本人の数も日本企業の数も北京の2倍である上海では、
既に「駐在員起業」されている方も多くいらっしゃる様で、
先日、上海の日本人向け雑誌を見ていたら、
「安易な駐在員起業は危険!
パートナーや取引先に騙されるケース続出!」
という記事が載っていました。
その記事によれば、
駐在員時代の取引先の人と一緒に会社を立ち上げたが、
結局、そのパートナーに会社を乗っ取られてしまった、とか、
駐在員をしていた日本企業の商売を引き継ぐ形で独立したが、
結局、中国側の企業がその人の会社では無く、
元々の日本企業との取引継続を希望した為、
仕事が無くなってしまい会社が破綻した、とか、
割とありがちな内容ではありましたが、
「駐在員起業」がまだ2例しかない北京の現状を考えれば、
やはり上海は進んでいると思いました。
日本で起業するのも大変なのに、
わざわざ言葉も違う、共産主義国家の中国で起業するとは、
どういう神経だ、と思われる方も多いかもしれませんが、
中国で駐在員として何年も仕事をしている人間にとっては、
「中国で起業する」という事は、
それほど荒唐無稽な、非現実的な事ではありません。
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