第102回
「重慶火鍋」の日本での多店舗展開
その秘策とは、「重慶火鍋」です。
「重慶火鍋」は重慶に伝わる、
辛いスープに肉や野菜を入れて食べる鍋料理です。
通常、「重慶火鍋」は、辛いスープと辛くないスープを
両方楽しめる「鴛鴦(ゆぇんやん)」と呼ばれる鍋が使われます。
辛いのと辛くないのが、仲良く一緒にいるので、
鴛鴦(おしどり)の名が付いています。
「鴛鴦」鍋は、直径70cmぐらいの大きな洗面器状の鍋が、
陰陽の形にまん中で区切られており、
片方には辛い真っ赤なスープ、
片方には辛くない白いスープが入っています。
この鍋をテーブルにセットされたガスコンロに乗せ煮立たせます。
一般的に「重慶火鍋」レストランのテーブルは、
この鍋を乗せる為にまん中に大きな穴があいており、
その下にガスコンロがセット出来る様になっています。
両方のスープが煮立ったら、注文した肉や野菜を入れます。
肉や野菜が十分に煮えたら、自分のタレに付けて食べます。
このタレは、ごまベースのものと香油ベースのものがあり、
各自の好みで、
きざみネギ、香菜、塩、味の素などを入れて味付けします。
紅白のスープが入った「鴛鴦」鍋が30元(450円)。
肉が一皿10-15元(150-225円)、
野菜が一皿5-10元(75-150円)ですので、
2人でお腹いっぱい食べても、
お勘定は100元(1,500円)前後で済みます。
以前、北京の冬の鍋の主役は羊肉のしゃぶしゃぶでしたが、
今では完全に「重慶火鍋」に、その主役の座を奪われています。
それほど、北京では「重慶火鍋」が大人気です。
さて、この「重慶火鍋」を日本に持って行くのは、
非常に簡単です。
「重慶火鍋」のおいしさの秘訣は、スープとタレにありますので、
このスープとタレを本場重慶で生産して濃縮した上で、
日本に輸出します。
肉や野菜は日本での調達とします。
こうすれば、日本で多店舗展開しても、
料理人の腕に左右される事無く、
本場重慶の素材を使ったスープとタレが味わえますし、
どの店でも均一のおいしさを提供出来ます。
又、日本に展開した各店では、
肉や野菜を切って、生のままお皿に盛り付けるだけですので、
アルバイトの人でも十分対応出来ますし、
店舗に厨房を作る必要もありません。
北京でも大人気の「重慶火鍋」。
日本でも流行るに違いないと思うのですが、どうでしょうか。
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