第73回
「人民元でもらってもねぇ」
外国人が中国で不動産を買うのは良いのですが、
問題は家賃や売却代金が人民元で支払われる事です。
外国人や外貨を持っている中国人と契約して、
外貨でお金をもらうなら良いのですが、
普通の中国人の人に貸したり、売ったりした場合は、
収入が人民元になってしまいます。
人民元は皆さんご存知の通り、
外貨に兌換できるハードカレンシーではありません。
日本円や米ドルの様に、
銀行などで自由に外貨にする事は出来ません。
この点は中国に投資したり、
中国ビジネスを行うに当たって、
クリアすべき大きな問題の一つです。
日本から投資したり、日本にビジネスの基盤がある人にとっては、
「人民元でもらってもねぇ」なのです。
外国人である我々日本人が、中国に投資をして、
それを外貨で回収する方法は3つしかありません。
一つは合弁会社又は独資会社を設立する事。
二つ目は外国人が外貨で投資する事が認められている
B株と呼ばれる中国企業の株式を買う事。
三つ目は上記の様に賃貸料や売却代金を
外貨で払ってくれる人を見つける事です。
もちろん、中国にはヤミで人民元を
外貨に換える業者もいます。
しかし、この場合、外貨に兌換するレートは非常に悪く、
それ以前の問題として完全に違法ですので、
お薦め出来る方法ではありません。
香港では中国への返還後、
街の両替所で人民元を香港ドルに
換えられる様になってきました。
香港ドルは兌換可能なハードカレンシーですので、
香港ドルを日本円や米ドルに換える事は可能です。
こうした両替所は、中国国内のヤミ業者とは違って
ちゃんと街中に店を出していますし、
取り締まられずに営業を続けていますので、
この方法は合法な様ですが、
いちいち香港に行かなければなりませんし、
金額が大きくなると数ヶ所の両替所で両替しなければならず、
面倒かもしれません。
それでも、北京のマンションに投資する日本人はたくさんいます。
経済が停滞する日本で投資するよりは、
年間7-8%の経済成長を誇る中国で投資する方が、
値上がりが期待出来ますし、借り手も付き易そうです。
更に、ゆくゆくは
人民元が兌換可能なハードカレンシーになる可能性は高いですし、
ハードカレンシーになった場合、
人民元は現在のレートより
かなり高くなる事が予想されますので、
将来的に値上がった物件を売却して人民元を入手し、
投資した時よりはるかに人民元高のレートで兌換して
日本円を手に入れる、という、
「ダブル値上がり」を享受する事も夢ではありません。
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