第56回
日本側の営業担当は要らない

結論としては、「成功報酬ベースのやり方は、
資金力のある大きな企業でなければ出来ない」という事で、
成功報酬ベースの仕事は一切お断りし、
サービスに対する対価を支払って頂けるお客さんを
探す事にしました。

後から良く考えてみれば、ノーリスクで中国に自社製品が売れる、
又は、ノーリスクで中国から安いものが仕入れられる、
となれば、誰でも興味を持つのは当たり前です。
そうした企業は、
本気で中国ビジネスを始めようとは考えていません。
ノーリスクでやってみて「あわよくば」大儲けしよう、
ぐらいの意識ですので、
業務委託料を頂こうとすると「とんでもない」となる訳です。

日本にはこうした本腰が入っていない
「あわよくば中国ビジネス企業」が
たくさんある事が良く分かりました。
私はこうした経験を通じて、
本腰を入れて中国ビジネスに取り組もうとされている企業のみを、
全力でサポートし、
お互いに利益がある「win-winの関係」を目指して
サービスを提供して行きたい、との決意を新たにしました。

もう一つ失敗したのは、
日本で営業を担当してくれる会社を探した事です。
北京から日本のお客さんを見つけるのは、至難の業です。
日本で広告を打つ程の資金力はないですし、
ホームページを作ったり、
メールを流したりするぐらいしか出来ません。

そこで、日本で営業を担当してくれる会社を探しました。
しかし、どの会社もだいたい
売上を半分半分にする事を要求してきます。
ひどい所は「中国は物価が安いから、会社の維持コストも安かろう」
という事で、6割7割を要求してきた会社もあります。

日本側の会社はお客さんを連れてくるだけで、
契約したら、後の仕事はほとんどこちらでやる事になります。
ただでさえ料金を非常に安く設定しているのに、
そんなに取られたらこちらは赤字になってしまいます。
かと言って、当社の料金はそのままにして、
日本側の会社に自分の利益を乗せて
お客さんにオファーしてもらう、というのも、
「安価で良質な駐在員事務所代行サービスを提供する」という
私の元々の考え方に反します。

やはり、多少時間は掛かるかもしれませんが、
自分でお客さんを探して、
無駄な営業費用をお客さんに負担させないのが、
お客さんの為でもあるのでは無いか、と思いました。


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