第51回
資本金は誰のもの?
田さんのお陰で、2001年9月に
「北京華信恒通投資顧問有限公司」が設立されました。
設立に当たっては、まず資本金の20万元(約300万円)を
中国建設銀行の工商局が指定する口座に振り込みました。
その後、種々の手続きが完了した時点で、
ようやく、資本金が中国銀行の自社の口座に振り込まれてきます。
中国銀行に振り込まれた後も、自社の金であるにも関わらず、
引き出す時には銀行にいちいち理由を申告しなければならず、
自由にはさせてもらえません。
個人が銀行からお金を引き出す時には、
特に何も言われないのですが、
会社という「公器」の資本金は、
例え個人企業と言えども自由にはさせない、という感じです。
合弁会社、独資会社を設立する際の、最低資本金の高さ、
という問題にぶつかった時に、
資本金はどうせ「見せ金」なので、親類縁者から金を掻き集めて、
資本金15万ドル(約1,800万円)で独資のコンサルタント会社を
設立した後で、その資本金のほとんどを銀行から引き出して、
親類縁者に返そう、という考えが頭をよぎりましたが、
そんな事をしなくて良かったです。
そんな事をしていたら、銀行からお金を引き出せず、
今頃、親類縁者の方々から絶縁されていたかもしれません。
会社設立手続きの次はビザの手続きです。
中国で働く為にはZビザと呼ばれる就労ビザが必要となります。
私の場合は丸紅北京支店で働いていた時に
既にZビザを取得していましたので、
その書き換え手続きという事で、割と楽だったのですが、
日本から初めて来て、中国で就労する場合には、
体格検査や就業許可証の取得から始めなければなりません。
順番としては、
1. 体格検査(検疫局)
2. 就業許可証の取得(労働局)
3. インビテーションの取得(対外経済貿易委員会)
4. Zビザの取得(在日本中国大使館・領事館)
です。これらの手続きを終えた後に中国に入国し、更に、
5. 就業証の取得(労働局)
6. 居留証の取得(公安局)
を行います。
上記は日本でZビザを取得した上で中国に入国するやり方ですが、
Fビザと呼ばれる一時滞在ビザで中国に入国して、
中国で1.〜6.の手続きを全て行って
ビザをFからZに切り替える、という方法もあります。
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