第136回
テープ起こし&入力作業 後編その1

さて、「テープ起こし」の実務を紹介していきたいと思います。

まず、仕事の発注元から録音済みのテープを受け取ったら、
それを元に入力作業を行っていきます。
入力作業で気を付けなければならないポイントは
以下の通りです。

●ヒトが発する言語には「えー」とか「あのー」等の
感嘆符が混じっているものです。
これらは入力する際に取り除かなくてはなりません。
つまりテープに「えー本日はお日柄も良く」と
録音されている場合、
文字入力する際には「本日はお日柄も良く」と
入力するワケです。
この作業を専門用語で「ケバ取り」と呼びます。

●学会の発表や講演会といった場合、
スライドやオーバヘッドプロジェクターといった機器を
使用するケースが多くなります。
そのような場合、どうしても発言者の会話の中に
「この」や「その」「あの」といった指示語が多くなります。
例えば「ここがこのように変化するワケです」
というような場合、
これではそのまま文章にしても読者には意味が通じません。
したがって入力する際には
「○○が××のように変化するワケです」と
しなくてはなりません。
これが出来る為には、前回お話したように
その専門分野に対する深い知識が
必要不可欠となってくるのです。

●講演会やインタビュー等では
発言者が1人または少数のため問題とはなりませんが、
これが会議や座談会などと場合は
発言者が複数かつ多岐にわたります。
このためコレは誰の発言なのか、
また誰の発言の続きなのか、ということを
終始把握、特定しながら入力しなければならないワケです。
この作業は非常に困難を極めます。

●仕事の発注元からの要望によっては、
見出しを作成して付けたり、文字数を調整したりと、
いわゆる「編集業務」までこなさなくてはならないような
ケースもあります。

以上がポイントなワケですが、
「テープ起こし」業務に関しては
もうチョット紹介したいコトがあるので、もう一回続きます。


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2003年3月5日(水)

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