弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第745回
不動産投資のリスク

みなさんの中には不動産投資をしている方も多いと思います。
今の不動産投資は、ビルやマンションを建てて、
あるいは、購入して、
賃料収入を得るというのが一般的だと思います。

今は不動産の値段が上がっていくことはあまり考えにくいので、
不動産を購入して転売することで利益を得るのは難しいので、
転売目的の不動産投資は少ないでしょう。

不動産投資の主な手法が賃料収入を得るということなのであれば、
不動産投資のリスクは、賃貸のリスクということになります。

この賃貸のリスクの一番大きいものは、
借り手が決まらないと賃料が入ってこないというものです。

最初に物件を取得するときは、
みなさん、駅から近いか、大学や会社が近くにあるか、
競合のマンションはあるかなどよく吟味して購入すると思います。

しかし、今は、少子化の影響で大学が移転したり、
つぶれたりもしますし、
会社も移転してしまうということもあります。

また、借主が中途半端な時期に移転してしまうと、
3月などの引越しシーズンまで、
空室となってしまうということもあります。

また、物件が新しいうちは、近隣のマンションと比べて
競争力もありますが、
古くなってくると、賃料も下がれば、入居率も下がってきます。
逆に、近隣に新しいマンションができる可能性もあります。

不動産投資は、物件価格に対し、
賃料の近隣相場から年間利回り何%と計算しますが、
それは常に借り手がいるという前提で計算されています。

したがって、先ほど挙げた例のように、
空室が発生すれば利回りの前提は崩れてしまうのです。

不動産投資をする際には、
空室のリスクがあるということを押えておいた方が
こんなはずでは、ということにはならないと思います。


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2012年5月15日(火)

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