第743回
弁護士会会長選挙が3回も
弁護士は、誰もが弁護士会に所属しています。
その大元締めが日本弁護士連合会(通称「日弁連」)です。
日本の弁護士あるいは弁護士会の代表が
日弁連の会長ということとなります。
検察官で言えば検事総長で、
裁判官で言えば最高裁の長官に当たります。
この日弁連の会長を決める選挙が今年は3回もありました。
それは、日弁連の会長の選挙では、
単に得票数が多いだけではなれないルールとなっているからです。
最多得票数を得て、かつ、
全国52ある弁護士会の3分の1超を超える弁護士会
(18の弁護士会)でも
最多得票数を採らなければならないというルールがあるのです。
どうしてこのようなルールがあるかというと、
弁護士の約半数が東京に集中しているからです。
単に、最多得票数を得れば会長になれるとすると、
弁護士の約半数が集中する東京の弁護士会から立候補した弁護士が
当選してしまうので、
少なくとも、東京だけでなく、
3分の1以上の地方の弁護士会からも
支持を得た弁護士が会長になれるとしたのです。
今回、1回目の選挙では、4人が立候補しました。
4人とも条件を満たさず、
2回目は上位2人で、再度選挙を行いましたが、
最多得票を取った候補者は、
3分の1の弁護士会でトップを取ることができませんでした。
そこで、3度目の選挙が行われました。
3回目は、立候補から新たな手続を行うので、
立候補者は別でも良いのですが、
2回目の決戦投票を行った2人が立候補しました。
同じ立候補者なら、何度選挙をやっても同じ結果になり、
「当選者はなし」となるように思いませんか。
しかし、実際、同じ候補者で再選挙をしてみると、
一方の立候補者が、最多得票数を得て、
かつ、3分の1以上の弁護士会で
トップも取ることができたのです。
再選挙で、投票する人を変えた弁護士がたくさんいる
ということなんですね。
短期間で、最初にいいと思って投票したけど、
やっぱり別な方にしようと言うことがあるんですね。
理由はわかりませんが。
みなさん、弁護士会の会長選挙なんて、
あまり興味はないとは思いますが、
おもしろい選挙のルールで、
それにより、3回も選挙が行われたことから、
取り上げてみました。 |