第703回
銀行は貸金業者じゃない?
みなさん、銀行と、
いわゆる消費者金融などの貸金業者の違いはどこかわかりますか?
預金を預かれること、
決済の代行や振り込みができることなどが違うということは、
みなさんご存じだと思います。
お金を貸すことについてはどうかというと、
実は、お金を貸すことについても、銀行と貸金業者では、
法律上、異なる取り扱いがされているのです。
法律で言うと、銀行は、お金を貸すことをしますが、
貸金業法の適用はなく、銀行法が適用されます。
貸金業者は、貸金業法が適用されます。
この銀行法と貸金業法は、内容が異なります。
貸金業法の方が規制が厳しいです。
もともと、貸金業者が高い利息と
厳しい取り立てをしてきたことから、
貸金業者を取り締まろうとしてできたのが貸金業法で、
取り立て等に関し、厳しいルールが課されています。
これに対し、銀行は、
旧大蔵省のお伺いを立てながら
お金を貸すなどの業務を行ってきたので、
銀行が悪いことをするわけがないという前提に立って、
規制がなされており、
取り立て等についてあまり厳しいルールがありません。
同じお金を貸すビジネスをしているのに、
ルールが異なるというのは、おかしいと思いますが、
現実はそうなっています。
バブル期には緩い基準でたくさんお金を貸して、
バブル崩壊後は容赦なく取り立てるという銀行もありました。
容赦なくと言っても、
脅したりそういうことをしたわけではありません。
相手の事情を無視してということです。
バブル崩壊後は、銀行に対する
ローンの支払いを巡ってたくさんの裁判がなされました。
その中で、僕は、銀行は、
貸金業者と同じようにお金を貸しているのに
貸金業法は適用がないと知りました。
それから、20年くらい経ちますが、
今このことが問題となっているようです。
それは、次回お話しします。
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