第677回
訴えるにはどうする?
「訴えられたらどうする?」という著作は、
数としてはそんなに売れていませんが、
読んだ人にはわかりやすいようで、
役に立ったと言われることが多いです。
そして、今度は
「訴えるにはどうする?」という本を書いて欲しいとか、
「訴えられないにはどうする?」という本を
書いて欲しいなどと言われることがあります。
「訴えるにはどうする?」、即ち、
裁判を起こすにはどうしたらよいか、というと、
「訴状」を裁判所に提出するということになります。
「訴状」を裁判所に提出して、
受理されることが「訴える」ということなのです。
裁判所は、不当な訴えは受理の段階で審査して、
受理しないと考えられている方もいらっしゃるようです。
しかし、裁判所は、訴状の形式的な部分をチェックして
合っていれば、受理するのであって、
中身に理由があるか、証拠があるかなどは、
訴えの受理の段階で、チェックしません。
証拠が無くても、相手からすれば不当な訴えでも裁判所は、
形式さえ整っていれば、受理してしまうものなのです。
そこで、「訴えるにはどうする?」という本を書くとしたら、
訴状の書き方を教えるということになると思います。
要するに、どうしたら、形式的に整った訴状を
書くことができるかということになります。
hiQを読んでいるみなさんは、
裁判を起こそうとしている方ばかりではないことから、
今後、hiQの連載を
「訴えるにはどうする?」ということにはしませんが、
この「資産を守り残す法律」のコラムの中で、
裁判の起こし方についても書いていきたいと思っています。
自分の財産を守るには、ときには、
裁判を起こすことも必要となります。
|