弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第534回
労働紛争が増加しています

これだけ経済状況の低迷が続くと、
各企業の業績は悪化していきます。
すると、従業員の解雇や賃下げを行う企業が増え、
賃金を支払わない企業も出てきます。

従業員の方も、黙ってそれにしたがうとは限りませんから、
トラブルとなります。

そこで、労働紛争が増加しているようです。

企業であれば、弁護士に依頼するのが普通でしょうが、
従業員側は、弁護士費用を負担してまで、
企業と争っていくのは、なかなか大変です。

そこで、設けられたのが、
労働局による雇用関係に関する無料相談と
労働調整委員会による
個別労働紛争に関するあっせんです。

相談は、もちろん相談だけで解決しない可能性もありますが、
自分の言い分が法律上正しいのか確認することができます。

あっせんは、強制力はありませんが、
委員会が企業に対して、
一定の解決をするよう間に入ってくれるので、
自分で交渉するよりは、解決する可能性が高まります。

さらに、一定の解決を法的に求める制度として、
労働審判という制度があります。

この労働審判は無料ではありませんが、
通常の裁判よりも手数料は安いです。
しかも、弁護士をつけないでもすることができます。

通常の裁判とは違って、原則として、
長くても、3ヶ月以内に、
3回の期日で、決着が付きます。

このように、労働紛争については、
国が、従業員側を支援する制度を設けており、
経済情勢の悪化もあって、労働紛争が増えたようです。

これらの労働紛争に関する制度の利用件数は、
過去最高になっています。

このような状況ですから、
雇う側もきちんとした理論武装が必要となります。


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2010年3月4日(木)

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