弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第508回
公正証書の作り方

前回、お金の支払い約束は、
公正証書にしておくと、
相手が支払わないときに、
相手の財産を差し押さえできるということをお話しました。

お金の支払い約束で、よく相談を受けるのは、
貸金、売掛金、損害賠償金、
離婚の際の慰謝料や養育費などです。

これらについて、支払う約束ができたときは、
合意書を作成することはもちろんですが、
公正証書にすることができるのであれば、
公正証書にしておいた方がよいでしょう。

この公正証書の作り方について説明します。
公正証書は、公証役場に、両当事者が行って作成します。
公証役場は、東京だと1つの区に複数ありますから、
自分と相手が行きやすい公証役場に行けばよいと思います。

公証役場は、裁判所と違って、
住所地の公証役場で
公正証書を作成しなければならないという管轄はありません。

個人同士で作る場合、本人確認の書類として、
パスポートや運転免許証など
写真付の証明書を持っていく必要もあります。

印鑑も持っていく必要がありますが、
本人確認書類がパスポートや運転免許証の場合は、
実印でなく、認印でも大丈夫です。

実印と印鑑証明書を持っていくときには、
それが本人確認書類にもなりますので、
パスポートや運転免許証は必要ありません。

会社の場合は、会社の登記簿謄本、
会社の実印と印鑑証明書が必要となります。

代表取締役から従業員に委任状を出せば、
従業員が代表取締役の代わりに行って
作成することもできます。

しかし、この場合、委任状に実印を押して、
印鑑証明書と会社の登記簿謄本を付ける必要があります。

委任状には、基本的に
公正証書の内容が記載されている必要があります。
委任を受けた従業員が、
先ほど説明した本人確認書類を持参する必要があります。

お金を支払う約束をさせるときには、
単なる合意書ではなく、
公正証書を作成してみましょう。


←前回記事へ

2009年11月24日(火)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ