弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第489回
千葉市議会議長が恐喝未遂で逮捕

地方分権が重要だなどと、
先日の選挙の直前から、
地方分権がクローズアップされて来ています。

地方分権を簡単に言うと、
地方に権限と財源を移せということだと思います。

日本のような狭い国土で、
地方(都道府県と市町村)に権限と財源を移すと、
どう一般市民の生活が良くなるのかが
今ひとつ私にはわかりません。
それは、僕が今東京に住んでいるからかもしれません。

仮に、地方に権限と財源を移すことが正しいとして、
一般市民が不安に思い、
また国あるいは国家公務員から
権限も財源も移すことができない理由として挙げられるのは、
地方には、権限と財源を適正に執行する能力がない
ということだと思います。

今回、問題となった千葉市は、
地方と言っても、政令指定都市で、
日本の市町村の中では、大都市に入ります。

そこの議会の最高責任者が、
暴力団員との関係をほのめかし、
恐喝しようとしたというのです。

地方の議会では、
選挙がそのまま地元の有力者や業界の勢力争いを反映し、
地元のボスが仕切るということも見られるようです。
地方の小都市であれば、人間関係が緊密で、
マスコミにも取り上げられませんから、
余ほどのことがない限り
それを改善するのは難しいという事情もあるような気がします。
千葉市のような大都市でも、そういうことがあるんですね。

朝日新聞によれば、
市議会議長になる前に、
暴力団との関係が問題となっていたにもかかわらず、
市議会議長になることを認めたということですから、
選んだ市会議員の責任は重いでしょう。

こういう感覚の持ち主たちに、
より大きな権限と財源を渡し、
条例を作ったり、予算配分や執行を任せたりしようとは
誰も思わないのではないでしょうか。

また、千葉県での不正経理の問題が
テレビや新聞で報道されています。

地方自治については、
本来、市民が監督するものですが、
実際上はなかなか難しく、
国や国家公務員の言い分じゃないですが、
権限と財源を地方に移転して良いのかなと思ってしまいます。


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2009年9月15日(火)

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