弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第443回
農業・介護は雇用の受け皿になるか?

またもや、雇用の話です。

この不況により仕事のない人に、
農業や介護の仕事があるじゃないか
ということがマスコミを賑わせています。

しかし、農業や介護の仕事をやろうする人が少なくなったのは、
なぜでしょうか?

きつい、汚い、給料安いということが理由だったと思います。
不況になったからと言って、
農業や介護の仕事のきつい、汚い、給料安い
という状況が変わるわけではありません。

仕事のない人は、仕事がないよりましなのだから、
それくらいは我慢しろということなのかもしれません。

しかし、この前、新聞で見たところによれば、
介護の仕事の給料は平均が20万円を切っていたと思います。

扶養家族がいない人ならまだしも、
扶養家族がいたら、農業や介護の仕事で得る給料では、
養っては行けません。

農業についても、収入が多く得られるのであれば、
農家の後継者がいないという問題は生じないと思います。

農業や介護が雇用の受け皿となるには、
農業や介護で従業員に対し仕事のきつさに見合う給料を支払って、
経営者がそれなりの収入を得られる
という仕組みができないと難しいと考えます。 

農業に関しては、今の品質を落とさずに
大規模化、効率化していく必要があると思いますが、
そんなことができるかどうかは僕にはわかりません。

介護については、介護する人の給料を上げると
介護の保険料が上がるわけで、
みなさんも容易に賛成はできないのではないでしょうか。

農業や介護に人が定着していない理由は、それなりにあるので、
マスコミで言われている、
不況だから、人手不足の農業や介護に行けばよい
というような議論はちょっと乱暴だと思います。


←前回記事へ

2009年3月24日(火)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ