弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第399回
採用する方も、される方も

人が1人でできることは量的に限られています。
そこで、事業を営む人は、
自分のできないことを補ってもらうために従業員を雇います。
多くの会社には従業員がいます。
採用は、その入り口となります。

人を選ぶというのは、なかなか難しいです。

弁護士の選び方の話をしたときに説明したことがありますが、
人の能力は、客観的に見ることができません。

仕事のどういう場面でどういう行動をするかについては、
結局のところ、
実際に働いてもらわないとわからないものです。

また、長年働いているうちに、才能が開花する場合もありますし、
長年働いているうちに、仕事の隙を突いて悪事を働く人もいます。

大企業でも、中小企業でも、従業員による横領は、結構あります。
もちろん、採用するときに、
この人は横領をするかもしれないとは思っていなかったはずです。
おそらく、横領した従業員本人だって、
自分が会社に入社するときに
自分が会社のお金を横領することになるなんて
思ってもみなかったはずです。

横領は、極端な例ですが、仕事のミスや仕事に対する意欲、
人間関係など、採用後に思いもよらないことが起きたりします。

逆に、採用される方も、入ってみなければ、
実際の仕事がどんなもので、どういう進め方をするか、から始まり、
上司や同僚がどんな人物かもわかりませんし、
セクハラやパワハラがあるかもしれません。

入社したら、会社の業績が急に悪化するかもしれません。
最近の外資系金融機関や不動産会社が倒産するなんて、
ここ2、3年のうちに就職した人は、
思いもよらなかったでしょう。

もちろん、入社してみたら、
満足する職場だったということもあるでしょう。

就職は、採用する方も、される方も、リスクが伴います。

そういうリスクを負ってでも、僕の事務所で働きたいという方は、
まず、履歴書をお送りください。


←前回記事へ

2008年10月16日(木)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ