第354回
アメリカでも貸し渋り
サブプライム問題を端に発して、
アメリカ経済のピンチが伝えられてきます。
サブプライム問題で、被害を受けたのは、
金融商品を購入していた銀行や証券会社のようです。
銀行や証券会社など金融機関の財務内容が悪くなると
どうなるかというと、
バブルが崩壊したときの日本と同じこと、
即ち、貸し渋りが起きるのです。
お金を貸すという行為は、
利息という収益を生む行為ではあります。
しかし、他方で、利息が入らないばかりではなく、
貸したお金が戻ってこない、即ち、
損をするリスクを伴う行為です。
したがって、金融機関の財務内容が悪化していると、
金融機関は、多くのリスクを負えなくなりますから、
リスクの少ない相手にしかお金を貸せなくなります。
即ち、貸し渋りが起こるわけです。
テレビ東京の
ワールドビジネスサテライトというテレビ番組によれば、
実際、アメリカでは銀行の貸し渋りが始まっており、
財務内容がよい中小企業でも、
銀行からお金が借りられないそうです。
日本のバブル崩壊後、
アメリカの投資ファンドや金融機関は、
日本の金融機関の財務内容が悪化したために
リスクを負えない隙をついて、
優良資産を持つ会社を買収しました。
逆に、現時点では、
日本の金融機関は、
アメリカの金融機関が不良債権を処理して
財務内容の健全化を進めるまでの短期間かもしれませんが、
アメリカの企業に投資や貸付をして、
収益を伸ばすチャンスだと思いますが、いかがでしょうか。
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