弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第352回
相続するか迷ったら

故人の遺産を相続するのか、
相続を放棄するのか迷う場合があります。

それは、故人が借金を残しているかもしれない、
あるいは残してくれた資産よりも
借金などの負債の方が多い可能性があるという場合です。

放棄して、他の親や兄弟にあげてしまってもよいかどうか
迷うという場合もあるかもしれません。
遺産を相続するか、放棄するか決める期間は、
個人が亡くなったことを知ってから、3ヶ月以内です。
この3ヶ月以内に相続の放棄をしなければ
原則として相続放棄ができなくなります。
この放棄するかどうかを考える3ヶ月を「熟慮期間」と言います。

大体、四十九日の法要が終わってから、
遺産の話をするのが多いようです。
熟慮期間は、あと1ヶ月くらいしか残されていません。

預金の残高証明や過去の通帳、借金の明細、不動産の評価など、
とても1ヶ月では調べ切れません。

そこで、法律では、熟慮期間の延長という制度を認めています。
家庭裁判所に熟慮期間の延長の申立をすれば、
あと3ヶ月間、遺産を相続するか、放棄するかを考えて、
その結果放棄することもできるのです。

プラスの資産とマイナスの資産のどちらが多いかわからない、
多額の借金が出てくるかもしれないというときなど
相続するかどうか、迷ったときに、役に立ちますので、
覚えておいてください。





←前回記事へ

2008年4月24日(木)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ