第305回
会社の再建には利益が必要
日本経済は、大分良くなったと言われていますが、
高度成長期と違って
全ての企業や会社の景気がよいわけではありません。
借入や仕入代金の未払などの債務が多くなってしまって、
経営が苦しいという会社もあります。
そんな会社を再建するために、
民事再生手続や任意整理手続があります。
いずれも、借入や仕入代金のほとんどを減額してもらって、
債権額の数パーセントを
分割で返済していくという方法を取るのがほとんどです。
借入のほとんどを棒引きしてもらうこととなりますから、
かなり経営は楽になるはずです。
しかし、会社の再建のためには、利益が必要です。
民事再生手続きなどにより
借入など支払いのほとんどがなくなったとしても、
一部は支払わなければなりません。
そして、これらを支払うには利益を出す必要があります。
即ち、売上から経費を引いて、
プラスにならなければならないのです。
これが、簡単なようでなかなか難しいです。
借入や仕入代金の支払が滞っている会社は、
単年度、あるいは月々の収支が赤字になり、
その穴埋めをするために借入をしたり、
仕入代金の支払いを止めたりすることが多いからです。
このように基本的な会社の収支がマイナスでは、
なかなか会社の再建は難しいです。
ただ、単年度あるいは月々の支出から
借入金の返済は除いて計算します。
純粋に、売上から経費を引いて、
黒字になればよいのです。
会社の再建手続では、借入金は、
月々の黒字の範囲で
返済可能な額まで減額してもらうこととなるからです。
月々の収支が現時点で赤字でも、
リストラなどによって、
固定経費を削減すれば黒字になるという計画でも、
ある程度確実であれば再建は可能です。
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