弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第299回
住宅ローン以外を整理する方法

借金で悩んでいる人の中には、
住宅ローンを抱えていて、
借金を整理すると、住宅ローンの支払いも止めることとなるから、
家を失ってしまうので、
借金の整理ができないという人もいます。

しかし、そもそも、前回説明したとおり、
サラ金からの借入返済が6年以上継続しているという場合には、
サラ金への返済が終了している可能性が高いので、
住宅ローンには、全く影響しません。
では、サラ金への返済が残ってしまう人には、
サラ金への返済のみ整理するという
うまい話はないでしょうか。
これが、今はあるんです。

以前は、借金は全て平等に扱わなければならないので、
借金の整理するときには、
住宅ローンも整理しなければならないという法律でした。
そこで、住宅ローンの支払いを停止して、
自宅が競売にかけられてしまうこととなってしまいました。

しかし、今は、民事再生法の中に
「住宅ローン再生」という手続があり、
自分が住んでいる住宅のローンを支払っているときには、
その住宅ローンを払い続けたまま、
他の借金を減額して支払っていく
という借金の整理方法が認められているのです。

ただし、この手続では、
住宅ローン以外の借金については、減額するけれども、
支払って行くことになるということがポイントです。
だから、給料では住宅ローンと
生活費の支払いで精一杯という人は、利用できません。
また、住宅の価格から住宅ローンを引いた金額がプラスの人は、
そのプラスの金額以上を他の債権者に支払わなければなりません。

このように全ての住宅ローンを支払っている人に
適用があるわけではありませんが、
適用があれば、
今よりも生活は楽になるはずです。
最悪の場合は、今の生活を続ければよいだけなので、
弁護士に相談して損はないと思います。





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2007年10月18日(木)

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