第288回
公務員が年金を横領
最近の新聞やテレビの報道によると、
社会保険庁の職員と市町村の職員が
年金を横領していたということです。
公務員が、国民のお金を横領していたというのですから、
ひどい話です。
横領というのは、
他人から預っているお金を自分のものとしてしまうことです。
もちろん、犯罪行為です。
仕事上、お金を管理している人が、横領すると、
業務上横領罪が成立し、
10年以下の懲役となります。
人間、お金の誘惑には弱いもので、
自分の目の前にお金があると、
つい手を出してしまうという人が結構いるようです。
従業員が会社のお金を使い込んだという相談は、
従業員と会社のトラブルでは比較的多いです。
従業員の横領は、中小企業に限らず、
大手の銀行や証券会社などの
金融機関でも行なわれてしまうのは、
みなさん、ニュースなどでご存知のとおりです。
金融機関は、お金の専門家の集団で、
しかも、大手であれば
内部監査も通常の企業よりも
厳格に行なわれているはずです。
それでも、長期にわたり、何千万円、
ひどい場合は何億円というお金が横領されてしまうのです。
だから、横領は、どの会社でも、
起こりうることなのです。
横領を防ぐには、
長期間、1人の担当者にまかせきりにしない
ということが挙げられます。
毎日、お金のチェックをできるなら、
それに越したことはありません。
しかし、それができない場合は、
不定期に、できるだけマメに、
上司、あるいは経営者が、
抜き打ちで、
お金の入出金をチェックする他ありません。
また、横領した従業員に対しては、
厳しく対処するということがあります。
従業員の不祥事に対し、
会社がどのような対応を取るかは、
他の従業員の規律意識と関係してきます。
年金についても、
国民のお金を預っているという自覚をもって、
公務員の中にも、
横領する不心得者がいることを前提として、
横領されないような仕組みと、
万一、横領されてしまったときの
厳格な処罰を徹底してほしいものです。
横領した職員に
退職金を支払うなんてことが
論外であることは当然です。
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