第234回
裁判にかかる時間
みなさん、トラブルに遭ってしまったときに、
裁判(訴訟)を起こすと、
時間がどれくらいかかるのか気になるところだと思います。
裁判を起こされたときにも、
同様だと思います。
裁判には、相手がいるので、
相手の出方によって、
かかる時間が変わってきます。
裁判官の主張や証拠の取り上げ方によっても、
早く終わったり、遅くなったりします。
以前は、裁判になると、
裁判にかかる期間は、
通常1年から1年半と説明していました。
最近は、裁判は時間がかかるという批判を受けて、
以前に比べると、
かなりスピードアップが図られています。
僕の個人的な感覚からすると、
今は、普通の事件で、10ヶ月から1年くらいで、
第1審の判決が出る感じです。
通常の事件であれば、訴えを起こして、
第1回期日までに、1ヶ月かかります。
お互い3回ずつくらい主張反論をすると、
大体、お互いの主張が出尽くします。
裁判期日は1ヶ月ごとに入っていくのが普通なので、
ここまで、6ヶ月(半年)くらいかかります。
その後、証人尋問をするのですが、
まず、証人がどういう証言をするのかまとめた書面
(「陳述書」と言います)を提出します。
陳述書を提出した次の期日に、証人尋問を行ないます。
これで、裁判期日は8回で、約8ヶ月です。
その後、これまでの主張や証拠、
証人尋問をまとめた最終的な書面
(「最終準備書面」と言います)
を出すのに期日が1回開かれます。
最終準備書面は出さない場合もあります。
そして、第1審の最終回に、
裁判所が判決を出します。
このように、裁判は、
普通に進めば、おおよそ10回で、
判決まで行きます。
ただ、裁判になってから、
古い証拠を探したり、
第三者に事情を聞きに行ったり、
証拠を出してもらったりということをするとなると、
次の裁判までの期間を
1ヶ月以上取ることもあります。
また、当事者間の話し合いで解決できないかと、
いわゆる「和解」での解決を図る期日が
設けられることもあります。
途中、裁判官の転勤、
夏休み、年末年始の休みなども入ることもあります。
こういう理由から、僕は、
裁判は、通常10か月から1年くらいかかると説明しています。
みなさんの裁判が、それより早く終わるか、
長くなるかは、事案にもよりますし、
相手によっても、裁判官によっても変わってきます。
|