弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第173回
二代目社長はつらいよ

人に羨ましがられる存在の二代目社長。
しかし、僕の経験からすると、
二代目社長は、そんなに楽ではありません。
むしろ、精神的にはきついと思われます。
というのは、二代目社長は、
会社ができあがったところから引き継ぐからです。
できあがったところからやるのは
簡単だろうとみなさん思うことでしょう。

しかし、売上や利益が横ばいでは、
「無能」と言われ、
下がれば「ダメ社長」と言われるでしょう。
売上や利益が上がったとしても、
これまでどおりの伸び率であれば、
「先代の力」とか、
それで「普通」と言われてしまいます。

ということは、二代目社長は、
「さすが二代目」と言わせるには、
先代を超える伸び率の売上や
利益を上げなければならないのです。

しかし、そのためには、
経済の原則どおり、
リスクを取らなければなりません。
リスクを取った結果、
売上や利益が伸びればよいのですが、
もし失敗でもすれば、
やはり「ダメ社長」と言われてしまいます。

このように二代目の成功は、
かなり限定されているのです。
しかも、二代目の評価をする会社の重鎮、
番頭は、経営者として
できあがった先代社長を見ていますから、
どうしても経験の少ない二代目について
不安に思えてしまいます。
よく考えると、
先代も、創業当時は、
経験も少なく頼りない社長だったかもしれません。
しかし、会社の重鎮、番頭も、
当時は先代と同じく若かったので、
不安感を感じなかったのかもしれません。

一般的に、創業者は、
無から有を作り出し成功するくらいですから、
会社の事業に貪欲であり、
また、人間的魅力があることも多いのです。
このように、
先代とともに経験を積んだ重鎮や番頭に、
ときには取引先に、
先代と比較されながら、
会社経営をしていかなければならない
二代目はつらいのです。


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2006年7月18日(火)

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