弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第160回
借金で、強盗したり、殺したり

借金というのは、不思議なものです。
みなさんも、テレビや新聞で、
借金を免れるために殺した、
あるいは借金の返済のために
強盗をしたというニュースを
たくさん目にしたことがあるでしょう。

ここで、よく考えてください。
借金を返済できないと
どうなるでしょうか?

通常は、破産するということとなります。
家がある人は家を手放すこととなるでしょう。
家族がある人は、
家族から責められるかもしれません。
お金を借りた債権者からは
文句を言われるかもしれません。

普通の人にとっては、
これらは大変なことで
苦痛なことかもしれません。

しかし、逆に、
人を殺してしまったらどうなるでしょうか?
普通は、警察に捕まります。
そして、刑務所に行くこととなります。
勤務先はクビになるでしょう。
家族は、殺人犯の家族として
生活していくこととなります。
被害者の遺族からは、
もちろん責められるでしょうし、
それどころか、一生恨まれるでしょう。

借金返済のために、
強盗をしても、同様です。
破産をしても、大抵は、
勤務先をクビになることはありません。
家は失うかもしれませんが、
借金の返済から逃れることができます。

殺人や強盗で、
刑務所に入ってから
生活をやり直すことと比べれば、
破産して生活を立て直す方が
何倍もやりやすいはずです。

それにもかかわらず、
人は、借金の返済が苦しくなると、
その返済のために、
強盗をしたり、
人を殺したりしてしまうようです。

借金で死のうと思う人も同じですが、
借金で、死んだり、
殺したり、強盗したりというのは、
本人だけでなく、
周囲に人にとっても
本当に不幸なことです。
そんなことするくらいなら、
みなさん、破産の道を選びましょう。


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2006年6月1日(木)

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