第127回
ライブドア問題と規制緩和は無関係
ライブドア問題に関する報道で、
前回、「金儲け」自体は悪くないという話をしました。
今回は、規制緩和の結果がライブドア問題を生んだ
などという報道についてです。
ライブドア問題での容疑は、
株価を吊り上げるために既に買収してあった会社について、
新たに買収をするような発表をしたことが
証券取引法に違反するというものです。
報道によれば、
同様の株価引き上げの行為が繰り返されていたことや
利益の付け替えによる粉飾決算がなされていた容疑がある
ということです。
しかし、これらの行為については、
以前から証券取引法で禁止されており、
規制緩和がなされて、
違法行為がなされやすくなったということはありません。
だから、規制緩和の流れで、
ライブドア問題が発生したということはないのです。
報道にあるように、
以前から株価の吊り上げ行為がなされていたのであれば、
なぜここまで放置されてきたのかという点は問題だと思います。
株価が急騰あるいは急落したときには、
すぐに、行政あるいは司法が調査して
違法であれば立件するという仕組みにしないと
公正・公平な株式市場とはなりません。
経済大国としては、恥ずかしいことです。
粉飾決算により利益の付け替えが本当だとしたら、
あれだけマスコミで取り上げられながら、
ライブドアの事業や決算がおかしい
という報道がなされなかったのはなぜなのでしょうか?
賛同者も多かったけれども、
敵も多かったように思われましたから、この点は不思議です。
最初に、消滅する近鉄球団の救済者として登場したことから、
批判しにくいという事情があったのかもしれません。
また、会計事務所が監査していたこともあったのかもしれません。
が、マスコミの方には、その影響力は大きいことから
話題性があると取り上げるときには、
もう少し裏を取ってから取り上げて欲しいものです。
まあ、いつも言っているとおり、
本当なのか、嘘なのか、
悪人なのか、善人なのかなどということは、
外部からはなかなかわからないものなのですけどね。
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