第120回
真面目に借金を払っていると・・・
もうすぐクリスマス。
ということでもありませんが、
いわゆるサラ金からお金を借りて、
もう10年以上もお金を返し続けている人にとって、
いい話を一つ。
10年前と言えば、
平成7年、8年で、バブルも崩壊し、
リストラが始まったころですから、
急な失業、あるいは給与カットにより、
このころにサラ金を利用し始めた人も
多いことでしょう。
最初に50万円借りて、
毎月、真面目に返しているのに、
足らなくなると、また借りてしまい
結局10年経過しても、
残高が減ってないという方がいると思います。
このような方は、
実は、借金は無くなっているかもしれません。
借金が無くなるだけでなく、
払ったお金の一部返ってくるかもしれません。
今までにも説明したことがあると思いますが、
サラ金の利息は、利息制限法で定められた利息
(例えば100万円以上の場合年15%まで)を
超えた年20数パーセントです。
弁護士に借金の整理を依頼すると、
お金を借りた当初から
利息制限法に基づいた利息で計算しなおして、
利息を支払ったこととします。
そして、利息制限法を超えて払い過ぎた利息は、
元本に充当します。
すると、元本の減るのが早くなるし、
元本が減るから支払うはずの利息も
さらに減ることとなります。
そうやって、計算していくと、
あるところまで来ると、元本はなくなり、
それ以上返済していると、
払う必要がないのに支払っていたこととなります。
即ち、サラ金から払ったお金を
返してもらえることとなるのです。
これを「過払金」と言います。
最近、350万円の借金があるので、
借金の整理をして欲しいと依頼を受けました。
利息制限法で計算しなおして、
サラ金業者と交渉したところ、
借金は25万円しか残らず、
サラ金業者から過払金を
125万円返してもらいました。
その125万円から25万円を返済して、
借金は無くなって、
100万円が手元に残ったのです。
弁護士費用をここから払っても、
依頼者はプラスになりました。
破産しなければならないかと相談に来たのに、
お金が戻ってくるという結果となったのです。
真面目に返していると、
いいこともあるということです。
ちなみに、銀行は、
利息制限法の範囲内でお金を貸していますから、
銀行に長く返していても、
過払金としてお金が返ってくる可能性はありませんので、
ご注意ください。
ちょっと早いですが、
今年の連載は、今日で終わりです。
みなさま、よいお年をお迎えください。
次の連載は1月1日で、
連載再開は、1月10日からとなります。 |