弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第113回
年金は少ないのか?

ここ数年、少子化問題とリンクして、
年金問題が取り上げられます。

よく年金問題で取り上げられるのが、
今もらう年金が少なくて
生活に困っている年金生活者の話です。

一見、「年金生活者は大変だ。可哀想。」
あるいは「年金制度はどうなっているんだ!」と、
国へ怒りの矛先が向くようになっています。

しかし、全ての年金生活者が
満足できる金額の年金をもらうためには、
一体いくら必要なのでしょうか?

そのための財源はどこから調達するのでしょうか?
年金は少ないと嘆いている年金生活者は、

これまで、いくら年金を支払ってきたのでしょうか?

年金問題を取り上げるニュースなどでは、
そこまで、データを示してくれません。

よく言われているように、
今、年金をもらっている人たちは、
実は、自分が払った年金の額と比較すれば、
かなり得しているはずです。 

これに対し、僕らの世代より下の世代は、
払った年金が戻ってくるかどうかも
わからないと言われています。

これは、年金が自分が積立てたものの
払戻しを受けるという方法ではなく、
若い働いている世代が、
年金生活者を援助するという方法を
取っているためだからと言われています。

僕は、現在の年金制度に問題がないと
言っているわけではありません。

マスコミが、年金が少ないという問題を
取り上げるのであれば、
いくらが適正な年金額で、
なぜ支払われる年金額が少なくて、
年金額を増額するには
財源をどうするかというところまで、
突っ込んで、取材をしないと、
ただ年金に対する不満を煽って、
若い世代にバカらしいから
年金を払うのを止めようと
思わせるだけだということなのです。


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2005年11月29日(火)

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