弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第81回
勝手に保証人にされた

借金に負われている人は、
利息の返済とか期限を延ばすことしか
頭にありませんから、
何をするかわかりません。
今の借金の取立てから逃れるために、
後で、より厳しい取立てを受ける可能性のある
闇金からもお金を借りてしまいます。

借金の取立てに負われている人は、
正常な判断ができなくなってしまうのです。

それで、借入をするためなら、
他人の名前を平気で利用し、
無断で保証人にしたりしてしまいます。
他人と言っても、そのほとんどは、
妻だったり、両親だったり、身内の人です。

勝手に名前を利用された場合、
利用された方は、
責任を負わなければならないのでしょうか?

勝手に、他人の名前を
契約書の連帯保証人の欄に書くことは、
私文書偽造罪(刑法159条)という犯罪で、
印鑑も利用している場合
3ヶ月以上5年以下の懲役刑となります。

お金の貸主に対しては、
連帯保証人となることを承諾していないのに
承諾しているかのように騙すこととなりますから、
詐欺罪(刑法246条)となり、
10年以下の懲役刑となります。

軽い気持ちで、
妻や両親、子供など身内の名前を、
本人の了解無く契約書に記載したりすることは
多いと思いますが、
それ自体犯罪で、それでお金を借りることは
詐欺になることを覚えておいてください。

名前を勝手に使われたのだから支払わないと
保証人としての責任を争う場合には、
無断で名義を利用した夫や子供が
私文書偽造、同行使、詐欺で、
刑務所に行くこととなるかもしれない覚悟が必要です。

では、次回に、
勝手に名義が使われたと
裁判で争う場合の説明をします。


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2005年7月28日(木)

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