弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第27回
悪徳弁護士の見分け方II

前回、悪徳弁護士の見分け方の一部をお話しました。
今回は続きです。

・費用についてあまり説明しない。
 弁護士費用についてはあいまいにしておくと
 後で多額の請求をされることがあります。

・多額の預り金をする。
 弁護士が懲戒される事例で多いのは、
 依頼者からの預り金に手をつけるケースです。

 預り金に手をつけるのは、
 もちろん業務上横領罪という犯罪です。
 残念ながら弁護士にもそういうことをする人がいるのです。

 仕事を始める前に、着手金の他に、
 多額の預り金を要求された場合は、
 いつごろ何にいくら使用するのか確認しましょう。
 明確に答えられない場合は要注意です。
 訴訟に必要なお金はなるべくその都度
 支払うようにしてもらいましょう。

・お金の貸し借りを提案する。
 弁護士が依頼者にお金を貸すと言ったり、
 貸してくれと言ったりすることは
 弁護士倫理という弁護士会のルールで禁止されています。

以上がお金に関する点ですが、
次は、相談の際の行動や事件処理の仕方です。

・事件について、細かく聞こうとせず、
 話の裏付けとなる証拠についても要求しない。

・過去自分の手がけた事件や、自分の役職、
 自分の社会的地位について自慢話が多い。

・事件の話より世間話が多い。

・安易に、この訴訟は「勝てる」とか「まかせろ」と言う。

・生活が派手そうである。

・投資の話をする。

・事件受任後、何もしない。

・相手が何をし、こちらが何をしたか連絡をくれない。

・こちらの訴訟の疑問について答えてくれない。

・弁護士と会えない。電話でも話せない。

・提出した書面、訴訟進行に
 自分の言い分が反映されていない。

以上、いろいろ挙げてみましたが、
弁護士費用が高くても、
それに見合う訴訟活動をしている弁護士もいますし、
やることは一生懸命やっているけれども、
忙しくて依頼者と連絡が取れない場合もあります。
もちろん程度というものがあります。

悪徳弁護士も善良な弁護士も
同じようなことをすることがあるので、
悪徳あるいは不良弁護士の見分け方は難しいのですが、
僕が挙げた例を基準に総合的に判断してみてください。

依頼している弁護士に疑問があった場合(特に金銭絡み)には、
他の弁護士や弁護士会に相談してみたらいかがでしょうか。


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