弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第11回
どこの弁護士に頼むか?

訴えられたら、弁護士に相談して、
どうするか対応を決めます。
大抵は、弁護士に依頼して、争うなり、
話し合いで解決してもらう
ということになることが多いと思います。

ここで、ちょっと前回説明しましたが、
弁護士の仕事の中心は
裁判所に行って裁判をすることになりますから、
裁判がかかっている裁判所の近くの弁護士に
依頼した方が良いのです。
これは、みなさんが
訴訟を依頼する場合の弁護士費用とも
かかわってきます。

僕は、東京の弁護士ですから、
東京地方裁判所へ行く場合には
日当や交通費をいただきませんが、
その他の裁判所に行くときは、
日当や交通費をいただくことにしています。

日当や交通費を請求する範囲や額は
弁護士によって違いますが、
その弁護士の事務所から遠方の裁判所の事件を依頼すると、
日当や交通費の分多く費用を負担しなければなりません。
だから、一般的には、
その裁判が起こされた裁判所の近くの弁護士に
相談し依頼する方が費用的には負担が少なくなります。

ただ、東京に住んでいるのに
大阪で裁判を起こされた場合
大阪に相談できる弁護士がいることは少ないでしょうし、
大阪に相談に行くのも大変です。
こういうケースでは、
1.東京の弁護士に相談し、大阪の弁護士を紹介してもらう。
2.東京の弁護士に相談し、東京の弁護士に依頼する。

という方法があります。

1の場合、結局大阪の弁護士のところに
何回か足を運ばなければなりません。
2の場合は、東京の弁護士に日当や交通費
を支払わなければなりません。

どちらが良いかは、
弁護士とみなさんとの信頼関係や
事案としてどの弁護士でもできるのか、
経済的に日当や交通費を負担できるのかなどを
総合して決めていただくほかありません。

今は、裁判所から遠方の弁護士の場合、
電話で裁判をすることができるので、
弁護士が裁判所に行く回数が少なくても済む場合もあります。
場合によっては、
1回も裁判所に行かなくても済んでしまいます。
逆に、遠方の弁護士に依頼したとしても、
一度は会う必要がありますが、普段の連絡は、
メールやファックス、電話でもできます。

僕は、遠方の裁判の相談を受けると、
このような説明をして、
僕に依頼するのかを決めてもらいますが、
事前にこういう説明もなく、事件を受任して、
後から日当や交通費を
当然のように請求する弁護士もいると聞きます。

遠方の裁判の場合、
どこの弁護士に依頼するのが良いのか
よく検討して相談に行きましょう。
ちなみに、長崎県の会社から
大阪で起こされた裁判の依頼を受けたこともあります。


←前回記事へ 2003年10月7日(火) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ