第101回
事務所を借りるにも実印と印鑑証明書が必要です。

「お金を借りる」のときにも第25回で説明したとおり、
契約書に押す印鑑は本当は何でもよいのですが、
「事務所を借りる」ときにも
実印と印鑑証明書を要求されます。

お金を借りる場合、貸主は大金を貸すわけですから、
後でお金を借りたのは契約者本人でないと言われたら、
返還請求する当てがなくなってしまうので、
本人確認のため印鑑証明書を要求します。
事務所を借りる場合も、貸主にとって
もちろん賃料の請求先をきちんと確認する
という意味もあるのですが、
事務所の場合は事務所の使用者を
特定するという意味もあるのです。

建物賃貸借契約では、
事務所や店舗の使用という問題が出てくるので、
その使用しているのが誰なのか、
使用方法に何かあった場合に誰に対し連絡し、
場合によっては明け渡しを求めたらよいのか
確定しておく必要があるのです。

借主の確認は、どういう方法でもよいのですが、
印鑑証明書を提出させるというのが普通です。
個人なら戸籍や住民票、
会社の場合は商業登記簿謄本の提出も求められます。

この商業登記簿謄本には、
会社がどういう目的で、住所がどこにあって、
代表者が誰なのかということが書かれています。
会社は、個人と違って、実際に会社なのか違うのか、
誰が取引をする権限があるのかなどはわからないので、
商業登記にそれを書いて
誰でも確認できるようにしてあります。

商業登記は法務局にしてあります、
だから、商業登記簿謄本も法務局に取りに行くこととなります。
会社の印鑑証明書も法務局で出してくれます。
会社については法務局なのです。


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2003年1月29日(水)

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