第60回
借金も相続されます。

「お金を借りる」については、
もうそろそろ終わりにしようかと思っていました。
しかし、この欄を読んでいる方から、
借金が相続された場合についての質問が来ましたので、
借金と相続について説明しようと思います。

まず、借金も、他の財産と同様に、
妻や夫、子供などといった相続人に相続されます。
相続は、自宅や預金・株式などというプラスの財産だけしか
相続されないなんて思っている人はいませんか?
相続されるのは自分でした借金ばかりではありません。
故人が他の人の借金の保証人になっていた場合には、
保証人として返済しなければならない義務
(「保証債務」と言います)も相続されるのです。

だから、今、借金をしていたり、
他人の保証人となっていたりしている方は、
家族に予め言っておかないと、残された家族が、
身内を突然亡くしてどうしたらよいか途方にくれているところに、
借金の支払いの督促まで受けることになり
どう対処したらよいかわからないということにもなりかねません。

人は誰しも、自分がすぐ死ぬなんて考えていないのが普通です。
自分が死んでも、残された者が何とかうまくやるだろうと
楽観的に考えがちです。
事業のために、借金をしたり、
保証人になったりしている場合には、
万が一、自分が事故などで死ぬと借金は
自分の子供たちに相続されることを頭に入れておいてください。
そうなった場合残された家族が
どうしたらよいかまで考えておけば完璧です。
でも、なかなかそういう方はいませんね。


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2002年11月19日(火)

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