第48回
万が一事業が失敗したときの対策について
知っておいてください。
「お金を借りる」とき、どういうものが必要か、
契約書の内容はどうなっているか、
お金を返せなかったらどうなるかなどについて、
説明してきました。
創業大学なので、事業が失敗した場合については、
もう少し後にご説明しようと思いましたが、
お金が返さなかったらどうなるかについて説明したので、
お金が返せなくなったらどうするかについても、
説明しておきます。
事業が失敗して、借金を払えなくなったらどうしますか?
みなさんは破産すると答えると思います。
しかし、借金の整理の方法は、破産だけではありません。
借金の整理方法には、大きく分けて2つあります。
1つは、事業を止めて清算してしまう清算型です。
よく知られている「破産」が清算型の典型です。
もう1つは、事業を継続する再建型です。
最近、よく「会社更生の申立てをした」
「民事再生の申立てをした」
などというニュースを聞くと思います。
この「民事再生」や「会社更生」が
再建型の借金の整理の方法です。
どうして、私が事業を始める創業大学の最初の「お金を借りる」で
この話を説明しようと考えたかというと、
清算型でも、再建型でも、借金の整理をするには、
お金が必要だからです。
そして、特に経営者が希望する再建型の借金の整理をするには、
清算型の手段を取るよりも、お金が必要になるからです。
経営者の方は、会社の業績が悪くなったとしても
何とか自分の力で会社の再建をしようと、
これまで蓄えた財産や知り合いに保証してもらって
借り入れたお金を会社の支払いに全部つぎ込みます。
これを読んでいる方は、
そんなことは当然だと思っている方がほとんどでしょう。
でも、それだけつぎ込んだ後で、
弁護士のところへ「何とかしてください」と相談に来られても、
もうどうにもならないのです。
ひどい場合は、清算(破産)する費用も
捻出できないということになってしまうのです。
そうならないためにはどうするか?それについてはまた来週。
ちなみに先週の宿題で、
そもそも時計は生活必需品として
差押えができないのでは?
との質問が来ました。
生活に必要な家具として差押えができないものは
整理タンス、洗濯機、ベット、洋タンス
調理用具、食器棚、食卓セット
冷蔵庫、電子レンジ、瞬間湯沸し器
テレビ(29インチ以下)、ビテオデッキ、ラジオ、
掃除機、冷暖房器具、エアコン
です。但しほとんどは1台限りで、2台目は差押えができます。
時計は差押禁止になっていないので差押えは可能です。
それから、給料は原則4分の1までしか差し押さえられません。
給料が28万円を超える場合には21万円を超える部分が
差押えの対象となります。
だから、給料を差し押さえられても全く収入がなくなるわけではなく、
ある程度の生活は可能です。
■今週の宿題■
巷でよく、会社が「倒産」した。という話を聞くと思います。
この「倒産」というのはどういう意味でしょうか?
会社は「倒産」しても営業を継続することができる。
○でしょうか? ×でしょうか?
お答えをお待ちしております。
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