第19回
六法について教えます。

先週、「六法」という場合の6つの法律は何法のことを言うのでしょうか?
という宿題を出しました?

みなさんお分かりでしょうか?

六法っていった場合の6つの法律は、
憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法です。

法律はこの6つの法律が基本になっています。
弁護士、裁判官、検察官になるための司法試験も、
この6つの法律が試験科目となっています。

ちなみに、私のときの試験科目は、憲法、民法、商法、
訴訟法選択(民事訴訟法でした)、法律選択(国際私法でした)、
教養選択(会計学でした)の7科目でした。

それぞれの法律について説明しますと、

憲法

みなさん社会科で習う国家の基本法で、
国は、国民の意思に基づいて運営されること(国民主権)、
国民は国から侵害されない権利を持っていること(基本的人権)、
日本は戦争をしないこと(平和主義)が定められていることは
みなさんご存知のとおりです。

でも、事業を営んだり、日常生活をおくったりする上で、
憲法は問題になりません。

民法

日常生活をおくったり、事業を営んだりする上で、
関係あるのが、この民法です。
お金を借りる金銭消費貸借や、事務所を借りる賃貸借契約、
物を売る売買契約から、離婚や相続など、みんな民法に書かれています。

商法

わかりやすくいうと、事業を営む人、
特に会社に関するルールが書かれています。
民事訴訟法 個人(または会社)と個人(または会社)の争いについて、
裁判をするにはどういう手続きで行うかの法律です。

刑法

みなさんご存知のように、どんなことをしたら犯罪となり、
罰せられるかが書かれている法律です。
新聞で取り上げられるのは、殺人、傷害、窃盗、強盗、詐欺といった
刑法の問題です。

刑事訴訟法

人が有罪かどうか裁判するための手続きに関する法律です。

法律問題には、民事に関する問題と刑事に関する問題があります。
これまで、法律というと、サスペンスドラマやテレビ、
新聞で取り上げられるのが犯罪に関するものなので
刑事と思われている方が多かったと思います。
でも、事業を営んだり、
日常生活をおくったりする上で生じるトラブルを解決するのは、
民事なのです。

最近、「訴えてやる」という決め台詞で話題となっている番組は、
みなさんの生活に関係する民事事件を取り扱ったのが
受けている原因だと考えます。
私の取り扱っている事件もほとんどが民事です。

みなさんに関係があるのは、
みなさんが知っている憲法でも刑法でもなく、
意外なことに、みなさんが一番知らない民法と商法なのです。


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2002年9月23日(月)

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